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ネコフリークス大学Neko Freaks University
講座222第1回 / 全5回

「遊んでいる」動画、本当に猫も遊びたい?

動画の『遊び』という題名と、猫の行動を分けて考えます。

いち教授
いち教授
講座222

導入会話

マロン学長「動画に『猫と遊んでみた』って書いてあると、ぼくも楽しい場面だと思って見るよ。」

いち教授「それは投稿者の見方だよ。猫が同じように望んでいるかは、画面の動きから別に考えよう。」

この回でわかること

  • 「遊び」という題名は猫の同意を示さない
  • 原著は拒否がある動画を意図的に選んだ
  • 逃げる余地も観察点になる

「遊び」と呼ぶのは人

Henningら(2026)は、投稿者が題名、説明、ハッシュタグなどで「遊び」と示した動画を探しました。ただし採用条件はそれだけではありません。猫が拒否を示し、その後も人が接触を続け、猫が動画の95%以上で映ることが必要でした。

猫の拒否と人の継続が見える11本を最初から選んだ研究です。一般の猫動画で嫌がる場面がどれくらいあるかは分かりません。

マロン学長「『遊び』は人が付けた名前で、猫がそう思った証拠じゃないんだね。」

猫が終えられるかを見る

猫が体を引く、逃げようとする、拘束から抜けようとする動きは拒否の手がかりになり得ます。一方、耳の向きなど一つでは曖昧な動きは、研究者も繰り返しや別の手がかりと合わせました。「逃げていない」だけで望んでいるとは判断できません。動画の前後が見えず、猫が離れられる場所も分からないことがあります。

画面にないものは推測しない

対象はYouTube、TikTok、Instagram、Facebookに2018~2023年に投稿された動画です。再生回数の多い検索結果から条件に合うものを探しました。「人気動画ほど猫が嫌がる」と比較した研究ではありません。動画の外で猫がどう過ごしているかも分かりません。

原著では、シャーや拘束からの抵抗のような比較的明瞭な行動と、耳の向きや瞬きのように複数の意味があり得る動きを分けました。猫の気持ちを一つの映像から診断せず、見えない部分は「分からない」と残します。同時に、明らかに離れようとする動きを「遊びの一部」と決めつけない視点も必要です。

「同意」より、観察できる選択を扱う

原著は、人と同じ意味で猫に法的・言語的な「同意」を求めた研究ではありません。猫が自分から関わり続ける様子を assent、接触を断ろうとする様子を dissent と呼び、観察できる行動に範囲を絞りました。離れようとしても人に止められる、体を押さえられる、逃げ道がない場面では、「その場に残った」だけで参加を選んだとは言えません。

反対に、一つの耳の動きや瞬きだけで「嫌がっている」と断定するのも研究の読み方ではありません。はっきりした拒否と、別の意味もあり得る動きを分けたうえで、接触の前後、繰り返し、離れる方向への動きを合わせて見ています。家庭へ持ち帰れるのは、感情名を当てることよりも、猫が続ける・終える余地を残すという視点です。

動画は再生数の多い検索結果から順に確認されましたが、検索語や媒体の表示順に左右される標本です。4媒体を網羅的に保存した一覧ではありません。11本という数は選定条件を満たした研究材料であり、「猫が嫌がる動画の割合」ではないと最後まで区別します。

✅ 今日からできること

  • 動画の題名と猫の動きを分けて見る。
  • 家で猫が離れたら追って遊びを続けない。

まとめ会話

マロン学長「タイトルが楽しそうでも、猫の動きは別に見たいな。」

いち教授「そうだね。次は動画とコメントの選び方を読もう。」

次回予告

コメントの「支持75~93%」は誰の何を数えた数字でしょうか。

参考文献

Henning JSL, et al. (2026). Anthrozoös. https://doi.org/10.1080/08927936.2026.2708478(CC BY 4.0)

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