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ネコフリークス大学Neko Freaks University
講座052第2回 / 全5回

その224人は誰?質問票の内側を読む

猫24項目の質問票研究を、募集方法、参加者構成、解析方法から読みます。女性92.4%、大学学位69.3%、動物関連経験62.3%という標本と、原著内の表番号・人数不一致も解説します。

いち教授
いち教授
講座052

導入会話

マロン学長「224人の結果なら、世の中の飼い主も同じくらいなのかな?」

いち教授「人数だけでなく、誰がどう集められたかを見る必要があるよ。」

マロン学長「調査の入り口まで見るんだね。」

いち教授「うん。原著には表番号や人数の不一致もあるから、一緒に確認しよう。」

この回でわかること

  • SNSを起点に集めた便宜的な標本だった
  • 女性、大学卒、動物関連経験者が多かった
  • 表番号と回答数に原著内の不一致がある

SNSから集まった英語話者

参加条件は18歳以上の英語話者で、居住国やペット飼育経験は問いませんでした。研究者のSNSから投稿を共有してもらう雪だるま式募集で、2021年10月から2022年7月まで回答を集めました。

解析対象224人のうち、現在のペット飼育者は208人、過去の飼育者は15人でした。女性208人、男性15人、平均年齢は48歳6か月でした。豪州41.8%、英国24.9%、米国16.9%で、ほか15か国から参加しています。

大学学位を持つ人は69.3%。現在または過去に動物関連の仕事・学習経験がある人は62.3%でした。

マロン学長「動物の情報に関心がある人が参加しやすそうだね。」

いち教授「その可能性がある。無作為抽出ではないから、英語話者全体の割合とは言えないよ。」

猫24項目への同意を測った

参加者は猫24項目、犬44項目へ1〜5段階で回答しました。著者らは、男女の平均値をt検定で比べ、出生年との関連をSpearman順位相関で調べました。

これは知識試験の合格者数を調べた設計ではありません。文の中には「ゴロゴロ=幸せ」のように状況による項目もあります。言葉の受け取り方や、回答時に想像した場面が人によって違う可能性があります。

回答後には情報シートを配りましたが、配布後の測定はありません。「説明を読めば認識が改善する」という教育効果を示した研究ではありません。

論文を深く読む

原著本文と表キャプションは、表1を猫、表2を犬と説明しています。しかし実際の表1には犬44項目、表2には猫24項目があります。考察も項目内容に沿っているため、本講座では表番号ではなく、文の内容と本文を照合しました。

さらに、解析対象は224人とされる一方、犬項目の一部はN=225です。性別人数は208+15=223で、残る1人の内訳は書かれていません。猫項目もN=212または213で、224人との差の理由は説明されていません。

このため原著表の割合をそのまま紹介し、224人を分母にして独自に計算し直しません。論文内に不一致がある時は、見なかったことにせず、どの情報を採用したかを示すことが大切です。

今日からできること

  • 調査結果では人数だけでなく、募集方法と参加者構成を見る
  • 表番号、項目内容、本文が一致するかを確認する

まとめ会話

マロン学長「224人は世の中の縮図ではなく、SNSで集まった特徴のある標本なんだね。」

いち教授「そう。表の不一致も含めて読めば、数字を使える範囲が分かるよ。」

マロン学長「次は28.7%の『手がかからない』をどう暮らしへつなぐの?」

いち教授「猫が静かでも必要な環境を、決めつけずに点検しよう。」

次回予告

「低メンテナンス」という曖昧な言葉を、日々確認できる環境の項目へ分けます。

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