猫を家族・子ども・親友・ペットと見る違い
猫を家族、子ども、親友、ペットとして見る違いを、オランダの猫飼い主1803人の調査からやさしく整理します。どれが正しいかではなく、関係認識が猫の暮らし方に表れる可能性を見ます。

導入会話
マロン学長「猫を『うちの子』って呼ぶ人もいるし、『相棒』って呼ぶ人もいるよね。呼び方が違うと、何か変わるのかな?」
大福先代学長「その呼び方と、猫の暮らし方の関連を調べた研究があるのです。オランダの飼い主1,803人の回答から、見ていきましょう。」
この回でわかること
- 研究が使った4つの関係カテゴリと、それぞれの割合
- 呼び方に期待が入り込む、という見方
- 研究は「どれが正しいか」を決めていない
研究では4つの関係カテゴリを使った
今回の論文では、オランダの猫飼い主に「あなたの猫との関係をどう表しますか」と尋ねました。選択肢は、ペット、家族の一員、子どものような存在、親友です。「一言では表しにくい」という選択肢もありましたが、これを選んだ56人(3%)は分析から外されています。
質問票はオランダ語のオンライン形式で、猫関連のニュースレターや雑誌、獣医療関係者のSNSを通じて配られ、2018年11月から2019年2月にかけて回答が集まりました。2,607人が回答を始め、85%以上答えた1,859人のうち、最終的に分析されたのは1,803人です。結果は、家族の一員が52%、子どものような存在が27%、ペットが14%、親友が7%でした。多くの飼い主は猫を単なる所有物ではなく、人間関係に近い言葉で捉えていました。
マロン学長「『家族』が一番多いんだね。これは感覚的にもわかる気がする。」
大福先代学長「ええ。ただし、この研究のおもしろいところは、呼び方の多さではなく、その呼び方が猫の生活環境と関連していた点なのです。」
呼び方には、期待が入り込む
猫を家族と見る人、子どもと見る人、親友と見る人、ペットと見る人。どの言葉にも、その人なりの愛情があります。ただし、言葉が変わると猫への期待も少し変わります。
研究では、呼び方と一緒に、猫についての7つの考え方も尋ねています。「私が落ち込んでいると気づいて慰めてくれる」「愛情と世話を私に頼っている」「ほかの家族と同じ権利がある」「人より私に忠実だ」「つらい時期を乗り越える助けになる」「私と一緒にいるのを楽しんでいる」「朝起きる理由になる」の7つに、5段階で同意の程度を答えました。
たとえば、子どものような存在として見る場合、守りたい、世話をしたい、危険から遠ざけたいという気持ちが強くなりやすいかもしれません。親友として見る場合、一緒にいたい、気持ちをわかってくれる存在であってほしいという期待が入りやすいかもしれません。
もちろん、これは誰かを責める話ではありません。猫をどう呼ぶかより、その気持ちが猫の選択肢、休める場所、接触のされ方にどう表れるかを見ることが大切です。
研究は「どれが正しいか」を決めていない
この論文は、家族扱いが良い、子ども扱いが悪い、ペット扱いが冷たい、という話ではありません。研究が見ているのは、飼い主の認識と猫の暮らし方の関連です。
また、これは横断調査です。ある時点での飼い主の回答を集めた研究です。飼い主の見方が猫の暮らしを変えたのか、猫の性格や家庭環境が飼い主の見方を変えたのかは、この研究だけでは断定できません。
回答者の顔ぶれにも特徴があります。91%が女性で、高い教育水準の人が53%、ひとり暮らしが22%、純血種の猫が32%でした。オランダでは子どものいる家庭が猫を飼うことが多いのに、この調査ではひとり暮らしや二人暮らしが多くなっています。猫への関心が高い人が集まった調査だという前提で、数字を読んでいきます。
今日からできること
- 自分は猫をどんな存在として見ているか考えてみる
- その見方が、抱っこ、寝室、留守番、外出、遊びにどう表れているか振り返る
- 7つの考え方のうち、自分が強く同意するものを一つ選んでみる
まとめ会話
マロン学長「猫をどう呼ぶかって、けっこう暮らし方に関係しそうなんだね。」
大福先代学長「そうなのです。でも呼び方を変える必要があるわけではありません。大切なのは、猫の側から見て快適かどうかを一緒に見ることなのです。」
マロン学長「家族でも、子どもでも、親友でも、猫は猫なんだね。」
大福先代学長「その通りです。次回は、関係の見方が猫の生活環境にどう表れたのかを見ていきましょう。」
次回予告
第2回は、飼い主の関係認識と猫の暮らし方のつながりを整理します。