高い隠れ家、猫にとって本当に使いやすい?
猫は高い場所を好むことがありますが、高ければよいとは限りません。床、0.5m、1.0mの隠れ家を比べた研究から、入りやすさ、滞在しやすさ、降りやすさを考えます。

導入会話
マロン学長「猫は高い場所が好きってよく聞くよね。じゃあ隠れ家も、できるだけ高いほうがいいのかな?」 はち助教授「そんな単純じゃないわ。高い場所は大事だけど、使いやすさを無視したらただの飾りになるの。」 マロン学長「高いのに使わないこともあるんだ。」 はち助教授「今回の研究では、1.0mの隠れ家は使われなかったのよ。そこが面白いところね。」
📌 この回でわかること
- 高い場所が大事でも、高ければよいとは限らないこと
- 床と0.5mの隠れ家で使われ方が違ったこと
- 家庭で高さを決めるときの注意点
入りやすい場所と、長く休む場所は違う
猫にとって高い場所は、大切な選択肢です。周りを見渡せる、他の猫や人との距離を取りやすい、安心して休みやすい。そうした理由から、キャットタワーや棚を好む猫も多いです。
ただし、高さがあれば何でもよいわけではありません。de Oliveiraらの研究では、隠れ家を床、0.5m、1.0mの高さに設置して、猫がどう使うかを比べました。
結果として、床の隠れ家は入る回数が多く、0.5mの隠れ家は入ったときの滞在時間が長くなりました。一方、1.0mの隠れ家はこの条件では使われませんでした。
マロン学長「ということは、入りやすい場所と、落ち着いて長くいられる場所は別かもしれないんだね。」
その読み方が自然です。床は入りやすいけれど、人や他の猫の気配を受けやすいかもしれません。0.5mは少し高さがあり、見渡しやすく、落ち着きやすかった可能性があります。
高さには「行くコスト」がある
研究者は、高い場所を使うには、猫がそこへ上がるためのコストがあると考えています。コストとは、ジャンプする手間、降りる不安、入り口の向き、足場の狭さなどです。
1.0mは猫が上がれない高さではありません。けれど、共同飼育の環境、箱の取り付け方、足場、猫たちの経験によっては、使うほどの魅力がなかったのかもしれません。
高い場所は「高さ」だけでなく、行きやすさ、降りやすさ、落ち着きやすさで考える必要があります。
はち助教授「高いだけで満足しないで。入口までの道がきれいじゃないと、猫は選ばないわ。」
家庭でも同じです。キャットタワーの上段を使わない場合、場所が悪いのではなく、途中の段差が急すぎる、降りにくい、周囲が騒がしい、入口が壁に近すぎる、といった理由があるかもしれません。
年齢や体力で、使いやすい高さは変わる
若くて身軽な猫と、シニア猫や足腰に不安がある猫では、使いやすい高さが違います。元気な猫でも、着地場所がすべる、他の猫に待ち伏せされる、降りる先が狭いと、使いにくくなります。
家庭で高い隠れ家を作るなら、段差を小さくする、途中に休める棚を置く、降りる道を複数作る、入り口をふさがれにくくする、といった工夫が役立ちます。
「猫は高い場所が好き」という言葉は便利ですが、それだけで終わらせると見落とします。高い場所を好きな猫もいれば、低くて暗い場所を好む猫もいます。
マロン学長「その子が安全に行けて、安心して戻れる高さかどうかが大事なんだね。」
そうです。高さは目的ではなく、安心できる場所を作るための手段です。
📄 論文を深く読む
この回では、床、0.5m、1.0mに置いた隠れ家の利用回数と滞在時間を比べた実験を扱いました。詳しい観察条件や数値は論文要約ページをご覧ください。
✅ 今日からできること
- 高い場所を使っていない場合は、途中の段差、降りやすさ、入口の向きを見る
- シニア猫や足腰が気になる猫には、低めで入りやすい隠れ家も用意する
まとめ会話
マロン学長「高い場所は大事だけど、高ければいいわけじゃないんだね。」 はち助教授「そうよ。使いやすい高さ、行きやすい道、落ち着ける入口まで含めて設計するの。」 マロン学長「猫が選ばない場所にも、ちゃんと理由があるかもしれないんだ。」 はち助教授「次回は、多頭飼いで隠れ家をどう分けるかを考えるわ。」
次回予告
次回は、複数の猫がいる暮らしで、隠れ家をひとつだけにしない理由を整理します。