毎日20:00更新
ネコフリークス大学Neko Freaks University
講座154第1回 / 全5回

病院で固まる・威嚇する反応をどう捉える?

動物病院で猫が固まる、隠れる、逃げる、シャーする反応を、恐怖と逃げ道の関係から読みます。

いち教授
いち教授
講座154

導入会話

マロン学長「病院では動かないから、ぼくって診察に慣れているのかな?」
いち教授「動かないことが、必ず落ち着きとは限らないよ。まず反応の仕組みから見よう。」

この回でわかること

  • 固まる、逃げる、攻撃する反応のつながり
  • 猫で紹介される体のサイン
  • 一つのサインで診断しない理由

なぜ受診の負担を研究するのか

論文の導入部には、受診が猫にとってそれほどストレスでなければ、猫の飼い主の28%がもっと頻繁に受診すると答えた調査が引かれています。受診時のストレスは、猫の血圧、体温、脈拍、呼吸数、血糖といった測定値を変えてしまい、身体の診察を妨げ、攻撃が起きればスタッフの安全にも関わります。猫の恐怖を減らすことは、猫のためだけでなく、正確な診療のためでもある、というのが著者らの立場です。

固まることも対処反応の一つ

Riemerら(2021)のレビューは、恐怖を脅威へ対処する適応的な反応として説明します。距離を取れる時は隠れる、逃げることができても、逃げ道がないと感じると固まる、または防御的な攻撃へ移る場合があります。

「動かない=おとなしい」「シャーする=性格が悪い」とは決められません。

反応は個体だけでなく、刺激との距離、逃げ道、過去の経験、痛みの可能性、その時の状況で変わります。

著者らは、恐怖と不安を犬猫で実証的に区別できる資料がないため、両方をまとめて「恐怖」と呼んでいます。病院では、他の動物、見知らぬ人、消毒剤や他の個体のにおい、犬の鳴き声や機器の音、滑る床や診察台が負担になり得ます。猫では、慣れた環境を離れることそれ自体が強い負担になることがあるとも書かれています。予測できない状況と、拘束によって自分で動けないことも大きな要因です。

マロン学長「知らない場所、知らないにおい、動けない。全部いっぺんに来るんだね。」

いち教授「そうだよ。だから病院での反応を、猫の性格だけで説明しないんだ。」

猫のサインは組み合わせて見る

レビューが挙げる猫のサインには、体を小さくする、耳を横や後ろへ向ける、瞳孔が広がる、尾を体へ寄せる等があります。防御が強まると、シャー、うなり、叫び、前足で払う、噛む等も現れます。

レビューは初期の不快感のサインとして、重心を刺激から遠ざける、体を低くする、顔や全身の筋肉が硬くなる、視線を外す、動きが止まる・増える、出された食べ物を取らない、といった細かな変化も挙げています。ゴロゴロという音も、満足している時だけでなく体調が悪い時にも出ることがあります。

ただし、瞳孔は光でも変化します。耳、声、姿勢も場面によって意味が変わります。どれか一つで恐怖、痛み、病気を診断せず、家を出る前、移動中、待合室、診察室のどこで変化したかを一緒に見ます。

「攻撃」についても、レビューは単純な性格ではなく、恐怖、痛み、痛みへの予期に伴う防御反応として理解する必要があると書いています。病院で噛んだ猫を「凶暴」と呼ぶことは、その猫がなぜそうしたかを見る目を閉じてしまいます。

今日からできること

  • 受診前後を「固まった」だけでなく、耳・姿勢・尾・声・移動で記録する
  • 普段と違う反応が始まった場所を病院へ伝える
  • 噛む・ひっかく危険がある時は、自分で方法を試さず病院へ連絡する

まとめ会話

マロン学長「固まるのも、シャーするのも、逃げ道がない時の反応かもしれないんだね。」

いち教授「そう。次は、このレビューがどんな研究を集めたものなのかを見よう。根拠の強さを知ると、読み方が変わるよ。」

次回予告

この論文がどのような研究を集めたレビューなのか、根拠の強さを読みます。

📚 参考文献

Riemer S, et al. (2021). Animals, 11(1), 158. https://doi.org/10.3390/ani11010158

講座トップ第2回 →
医療情報の取り扱い

本サイトの記事は、学術論文をAI技術を用いて要約・翻訳したものであり、獣医師による診断・治療に代わるものではありません。愛猫の健康状態に不安がある場合は、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。