毎日20:00更新
ネコフリークス大学Neko Freaks University
行動・気持ち掲載 2026.09.13

論文要約:猫の狩り行動と、食事・物遊びをどう読む?

Cecchetti et al. (2021). Current Biology, 31, 1107–1111

読了 約4分中級2021年発表原文 DOI →

論文の概要

屋外へ出る猫が、鳥や小動物を捕らえて家へ持ち帰ることがあります。狩りは猫にとって自然な行動の一部ですが、地域の野生動物への影響を心配する人もいます。この論文は、猫を責めたり、狩りを力で止めたりするのではなく、猫の暮らしに加えられる方法を比較した研究です。

Cecchettiら(2021)は、野生動物を捕らえて家へ持ち帰る猫がいる南西イングランドの家庭を対象に、高肉含有・穀物不使用の試験フード、パズルフィーダー、首輪の装置、毎日5〜10分の物遊びなどを比べました。

研究デザイン

219家庭・355匹が12週間の比較試験を完了しました。飼い主は、猫が捕らえて家へ持ち帰った野生動物を毎日記録しました。研究者は、導入前の期間と対照群を基準に、各方法で記録数がどう変わったかを比べています。

指標は、猫が実際に捕らえた全ての動物の数ではなく、家へ持ち帰られ、飼い主が記録できた数です。持ち帰らなかった捕獲や、飼い主が見逃した場面は含まれません。

主な発見

1. 物遊び群では、総数が25%減と報告された

飼い主が釣り竿型とネズミ型のおもちゃを使い、毎日5〜10分の物遊びを行った群では、捕獲・持ち帰り数が対照群と導入前に比べて25%減と報告されました。哺乳類に限ると35%減でした。一方、鳥に限った差は明確ではありませんでした。

この結果は、物遊びが全ての猫の狩りを止めるという意味ではありません。猫の好み、屋外環境、季節、記録方法の影響もあり、研究では「家へ持ち帰られた数」を見ています。

2. 試験フード群では36%減と報告された

高肉含有で穀物を含まない試験フードを提供した群では、総数が36%減と報告されました。哺乳類では33%減、鳥では44%減でした。

ただし、このフードは肉由来のたんぱく質、穀物不使用、加工方法など複数の性質が同時に異なります。研究者自身も、どの栄養素や性質が関係したのかを区別できないと述べています。食事を変えれば同じ結果になる、ある成分が狩りを減らす、といった結論にはできません。

3. パズルフィーダー群では増加した

この研究の条件では、パズルフィーダー群は総数が33%増と報告されました。考えられる理由として、道具の新しさ、使い方への慣れ、食べにくさによる空腹やフラストレーションなどが論じられていますが、原因は確定していません。

これはパズルフィーダーを使ってはいけないという結果ではありません。狩りを減らす目的で、同じ条件を使う方法としては支持されなかった、と読むのが適切です。

この研究で断定できないこと

  • 物遊びや試験フードが、全ての猫・地域・季節で同じように作用するとはいえません。
  • 試験フードの効果を、肉の量、穀物の有無、特定の栄養素のどれか一つに分けられません。
  • 記録数が減ったことは、猫の狩り欲求がなくなったことを意味しません。
  • パズルフィーダー全般が猫に悪い、または狩りを増やすとはいえません。

数字で見るポイント

  • 219家庭・355匹: 12週間の比較試験を完了した対象
  • 25%減(哺乳類35%減): 毎日5〜10分の物遊び群で報告された持ち帰り数の変化
  • 36%減(哺乳類33%減・鳥44%減): 高肉含有・穀物不使用の試験フード群で報告された変化
  • 33%増: パズルフィーダー群で報告された変化。原因は特定されていない

暮らしへのヒント

猫が野生動物を持ち帰った時、叱るだけでは解決しにくいことがあります。この研究は、短い物遊びのように、猫が室内で追う・飛びかかる・つかむ行動を表せる時間を用意する考え方に目を向けさせます。

ただし、遊びは狩りの代わりになると約束するものではありません。屋外アクセス、地域の野生動物、猫の安全、同居家族の状況も含めて考える必要があります。フードを変える場合は、この研究の数字だけで決めず、年齢、体調、既往歴、食べ方を踏まえて獣医師へ相談してください。

よくある質問

Q. この研究はどこで発表されましたか?

2021年に国際誌 Current Biology で発表されました。Martina Cecchettiらによる論文で、DOIは10.1016/j.cub.2020.12.044です。

Q. この研究の内容は日常の猫との暮らしに活かせますか?

遊びの機会を増やす、食事内容を見直すといった選択肢があることの参考になります。ただし、特定の方法が自分の猫にも同じ効果を持つと約束するものではありません。

Q. 対象はどんな猫ですか?

南西イングランドで、野生動物を捕らえて家へ持ち帰る猫を飼う家庭です。219家庭・355匹が12週間の試験を完了しました。

Q. パズルフィーダーで持ち帰り数が増えた理由は分かっていますか?

確定していません。道具の新しさや使い方への慣れ、食べにくさによる空腹やフラストレーションなどが論じられていますが、原因は特定されていません。

この論文のテーマを深く学ぶ

猫の狩り行動を減らすには?食事と遊びの研究

野生動物を家へ持ち帰る猫を飼う219家庭・355匹の比較試験から、短い物遊び、試験フード、パズルフィーダーの結果を読みます。猫を責めず、地域と暮らしに合う考え方を学ぶ全5回講座です。

開講中講座を見る →
医療情報の取り扱い

本サイトの記事は、学術論文をAI技術を用いて要約・翻訳したものであり、獣医師による診断・治療に代わるものではありません。愛猫の健康状態に不安がある場合は、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。