猫が来ないなら触らない。選択を返す三つの場面
CAT指針のC、Choice and Controlを家庭で使う考え方を紹介します。触る前は猫からの接触を待ち、途中は手を止め、離れたら追わない。三つの場面に分けて猫の選択を守ります。

導入会話
マロン学長「手を差し出したのに猫が来なかったら、もう少し近づけてもいい?」
いち教授「来ないことも答えの一つだよ。猫が選べる距離を残そう。」
マロン学長「選択って、触る前だけの話?」
いち教授「触っている途中と、終わる時にも選択があるんだ。」
この回でわかること
- CはChoice and Controlの頭文字
- 触る前・途中・終わりの三つで猫へ選択を返す
- 人への接近頻度は訓練前後で有意差がなかった
触る前——猫からの接触を待つ
原著の指針では、人は座ったまま手を静かに差し出し、猫が近づくかを待ちます。猫が人へすり寄るなどの接触をしなければ、撫で始めません。
手を猫の顔へ押しつける、猫の方へ体を乗り出す、休んでいる場所へ近づく形では、猫が断りにくくなります。近くにいるだけ、匂いを確認するだけ、通り過ぎるだけという選択も残します。
途中——手を止めて続きを聞く
撫で始めた後も、人が終わりを決めるだけではありません。3〜5秒ごとに短く手を止め、猫の次の行動を待ちます。
猫が頭や頬を押しつけ直す、すり寄る、近くへ残ることがあります。一方、顔を背ける、体を硬くする、位置を変えることもあります。一つのサインだけで正解を決めず、止めた後の変化を見ます。
マロン学長「手を止めるのは、撫で方のリズムじゃなくて質問なんだね。」
いち教授「そう。猫が次の一手を選べる間を作るんだ。」
終わり——離れた猫を追わない
猫が離れたら追わず、ふれあいを終えます。少し離れた場所から見ている時も、呼び戻したり、再び手を伸ばしたりせず、猫から戻るかを待ちます。
研究では、人へ接近する頻度と接触開始回数に訓練前後の有意差はありませんでした。CATに沿うと猫が必ず近づく、積極的になるという結果ではありません。
選択を守る目的は、猫をもっと触れるようにすることではなく、参加しない・休む・終えることも可能にすることです。
今日からできること
- 触る前に、猫から接触があるまで待つ
- 猫が離れたら追わず、戻るかどうかを猫に任せる
まとめ会話
マロン学長「来ない、止まる、離れるも、猫が選んだ答えなんだね。」
いち教授「うん。Cは触る量を増やす方法ではなく、猫の選択肢を減らさない方法だよ。」
マロン学長「触っている間は、どんな変化に注意すればいい?」
いち教授「次はAとT。休憩サインと触る場所を一緒に見よう。」
次回予告
3〜5秒ごとに止まる理由と、耳の付け根・頬・あご周りから始める考え方を整理します。