寝室・外出・留守番、研究で見えた差
猫を子ども・親友・家族・ペットとして見る違いと、寝室アクセス、自由な外出、留守中の世話、多頭飼いの関連を研究結果から整理します。

導入会話
マロン学長「寝室に入れる猫と、入れない猫。数字で見ると、どれくらい違ったの?」
大福先代学長「全体では57%でしたが、呼び方によって36%から72%まで開いていたのです。外出と留守番も含めて、具体的な数字を見ていきましょう。」
この回でわかること
- 寝室に入れる割合は、子ども・親友グループで高かった
- 外へのアクセスは、ペット・家族グループで多かった
- 留守中の世話と多頭飼いにも差があった
寝室に入れる割合は、子ども・親友グループで高かった
研究全体では、57%の猫が飼い主の寝室に入ることを許されていました。関係カテゴリ別では、子ども・親友として見られる猫では72%と高く、家族の一員では52%、ペットでは36%でした。寝室に入れる猫のうち87%は、夜の一部または全部を飼い主のベッドで寝ています。
家族と答えた人で寝室の割合が低めだった点について、著者らは二つの説明を挙げています。家族と見る飼い主は、子どもや親友と見る飼い主ほど猫に慰めや支えを求めていないのかもしれない。あるいは、外に出る猫が多いので、寝室の衛生を気にする家庭が多いのかもしれない。どちらも推測です。
寝室は、飼い主との距離が近くなる場所です。同時に、猫にとっては静かに休める場所にもなり得ます。だから、寝室に入れること自体が良い悪いではありません。
大切なのは、猫が入りたいときに入れるか、出たいときに出られるか、寝室以外にも安心して休める場所があるかです。寝室が唯一の安全地帯になっているなら、家の中の環境を見直す余地があります。
外へのアクセスは、ペット・家族グループで多かった
調査全体では65%の猫が外へ出られました。関係カテゴリ別の外出アクセスは、猫をペットとして見る飼い主で79%、家族として見る飼い主で68%、親友で60%、子どもで52%でした。
外に出られる猫の中でも、出方と行き先に差がありました。全体では、常に開いているキャットドアから出られる猫が30%、時間で閉まるキャットドアが10%、人がドアを開けた時だけが60%です。行き先は、どこでも行ける猫が64%、囲いのある庭が25%、バルコニーが7%、キャティオが5%でした。自由に歩き回れる外出はペットとして見られる猫で多く、子ども・親友として見られる猫では少ない傾向がありました。
オランダでは猫の外出が比較的一般的な背景があります。そのため、日本の完全室内飼育の考え方にそのまま当てはめることはできません。
ただし、外に出さない場合でも、猫の探索欲求や運動、隠れる場所、上下運動、遊びを室内でどう満たすかは重要です。守ることと閉じ込めることは、似ているようで違います。
マロン学長「外に出さなければ安全だけど、それだけで十分とは限らないんだね。」
大福先代学長「ええ。安全を選ぶなら、室内の充実もセットで考えたいのです。」
留守中の世話と多頭飼いにもヒントがある
留守中の世話は、全体では友人や近所の人に頼む人が71%、有料のシッターが5%、預かり施設が4%、組み合わせが8%でした。13%の人は「数日以上家を空けることがないので該当しない」と答えています。この分け方は呼び方によって違い、子ども・親友として見る飼い主では、家を空けることが少ないと答える割合が高い傾向でした。これは、猫と一緒にいたい気持ち、預け先の少なさ、不安の強さなど、いくつかの可能性があります。
また、猫を子どもとして見る飼い主では、多頭飼いの割合が高い傾向がありました。これは当初の仮説にはなかった結果で、著者らは探索的な発見として報告しています。多頭飼いは猫にとって良い場合もありますが、資源が足りないとストレスになります。トイレ、食器、水、寝床、隠れ場所、逃げ道が十分かを見直す必要があります。
今日からできること
- 寝室以外にも、猫が安心して休める場所を用意する
- 完全室内なら、遊び・上下運動・隠れ場所・外を眺める場所を見直す
- 多頭飼いでは、猫の数以上にトイレや休み場所を分散する
まとめ会話
マロン学長「寝室に入れる、外に出す、留守番をどうするって、全部猫との距離感に関係しているんだね。」
大福先代学長「そうなのです。どれも単独で正解はありませんが、猫の選択肢を増やす方向で考えると整理しやすいのですよ。」
マロン学長「守るだけじゃなくて、猫が猫らしく動ける場所も必要なんだ。」
大福先代学長「その通りです。次回は、猫を『うちの子』として見ることの良さと注意点を考えましょう。」
次回予告
第4回は、「うちの子」扱いの温かさと、猫を人間扱いしすぎる注意点を扱います。