猫の性格は7タイプに分けられる?
猫の性格を調べた4,316匹の研究で見つかった7因子を解説します。怖がり、活動性、人・猫への社会性などを、固定タイプや家庭用性格診断にしない読み方を学びます。

導入会話
マロン学長「性格診断って、ぼくは『遊び好きタイプ』みたいに一つへ決まるのかな?」 いち教授「この研究の7つは、7タイプではないんだ。まずそこから整理しよう。」 マロン学長「一匹に一つじゃないの?」 いち教授「怖がりも活動性も社会性も、一匹の中にそれぞれ違う程度で表れると考えるんだよ。」
この回でわかること
- タイプと因子の違い
- 抽出された5つの性格因子
- 2つの行動関連因子
タイプではなく物差し
タイプ分類は、一匹をどれか一つの箱へ入れる考え方です。一方、因子は複数の質問に共通する傾向をまとめた物差しです。
例えば、ある猫は活動性が高く、人への社会性は中程度、怖がりは低めというように、7つそれぞれの得点を持ちます。
7因子は一匹を7種類のどれかへ分類する仕組みではありません。
5つの性格因子
研究で抽出された性格因子は次の5つです。
- 怖がり
- 活動性・遊び好き
- 人への攻撃行動
- 人への社会性
- 猫への社会性
人への社会性と猫への社会性が分かれている点も重要です。人に近づく猫が、同居猫にも同じように近づくとは限りません。
因子名は猫全体への評価ではなく、その因子にまとまった質問項目を短く表す名称です。
2つは性格ではなく行動関連因子
残る2つは、過剰グルーミングとトイレ問題です。著者らも、この2つは性格特性ではなく行動関連因子としています。
高得点だから「毛づくろいしすぎる性格」「トイレに失敗する性格」とは言えません。環境、利用できる場所や資源、健康状態など、質問紙だけでは分からない背景があります。
行動のまとまりが見つかったことと、原因や診断が分かったことは別です。
7因子で説明したのは43%
7因子が説明した行動・性格データの分散は43%でした。大きな構造は整理できても、残り57%はこの7因子だけでは説明されません。
個々の猫を短い言葉で言い切れないことも、この数字から分かります。性格因子は観察を整理する物差しで、猫そのものの全体像ではありません。
今日からできること
- 一匹を一つの性格タイプへ決めず、場面ごとの複数の傾向として考える
- 過剰グルーミングやトイレの変化を性格のせいにしない
まとめ会話
マロン学長「7つの箱から一つを選ぶんじゃなく、7本の物差しで見るんだね。」 いち教授「そうなんだ。しかも後ろの2つは性格ではなく行動関連因子だよ。」 マロン学長「7因子だけで全部が説明できるわけでもない。」 いち教授「次は、その7因子をどうやって作ったのか見てみよう。」
次回予告
第2回は、138項目と4,494匹の初期データから、7因子を抽出した手順を読みます。
参考文献
Mikkola S, et al. Reliability and Validity of Seven Feline Behavior and Personality Traits. Animals. 2021;11(7):1991. https://doi.org/10.3390/ani11071991