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ネコフリークス大学Neko Freaks University
講座181第4回 / 全5回

飼い主の希望と猫の反応を分けて読む

同席や慣れたスタッフを望む飼い主の回答を、猫から測った行動・生理反応とは別の情報として整理します。

いち教授
いち教授
講座181

導入会話

マロン学長「飼い主さんが一緒にいたいなら、ぼくも一緒がいいってこと?」
いち教授「希望を聞くことは大切だよ。でも、人の希望と猫から測った反応は別の情報なんだ。」

この回でわかること

  • 飼い主が同席時を快適と答えた割合
  • 猫の快適さが飼い主の推測であること
  • 処置への希望と実験結果の違い

飼い主本人は同席時を快適と答えた

33人への質問票では、飼い主本人について、同席時に「とても快適」と答えた人が66.7%でした。不在時は「やや不快」が66.7%でした。

猫についても、飼い主は同席時に「やや快適」33.3%、「とても快適」27.3%と評価しました。不在時は「とても不快」と「やや不快」が各33.3%でした。

猫の快適さの数値は、飼い主が猫を見て答えた認識であり、猫へ直接尋ねた結果ではありません。

飼い主本人の快適さは、同席・不在で答えがほぼ反転しています。一方、猫についての評価は同席時でも「やや快適」が最多で、「とても快適」はそれより少なめでした。飼い主は、自分より猫の方が病院で快適ではないと見ていた、とも読めます。

採血・採尿は実施して比べていない

質問票では、採血や採尿のような処置に飼い主が同席したいかも尋ねました。同席に強く賛成した人が75.8%でした。一方、「処置時に診察室を出る」ことに賛成した回答もあり、人の希望は一方向だけではありませんでした。

この研究の模擬診察では、採血や採尿を行っていません。処置への回答は希望や安心感のデータで、処置中に同席すると猫の発声や心拍が変わると検証した結果ではありません。

慣れたスタッフへの安心感も人の回答

飼い主が不在で猫を処置エリアへ連れて行く場面を想定すると、慣れた獣医師やスタッフに対する快適さは、慣れない人より高く評価されました。

同じ担当者と会えることを希望として伝える材料にはなります。ただし、慣れた担当者なら猫のストレスが必ず下がると直接測った比較ではありません。予約状況や処置内容で担当者が変わる場合もあります。

マロン学長「知っている先生の方が安心、は飼い主さんの気持ちなんだね。」

いち教授「そう。猫がどう感じたかは、この研究では測っていない。でも、飼い主の安心が猫への接し方に影響することはあり得るから、無意味な情報でもないよ。」

質問票では、過去の受診経験についても尋ねています。以前の受診で猫がどう反応したか、飼い主がその経験をどう評価しているかは、同席への希望と結びついている可能性があります。この研究は、飼い主の希望を「わがまま」として扱うのではなく、猫の反応と並べて理解しようとした点に特徴があります。

参加者には偏りがある

参加した飼い主の91%は女性で、猫と飼い主の関係尺度は高い方へ偏っていました。診療への関心が高い人ほど参加しやすく、扱いにくい猫や過去の受診経験が悪い猫の飼い主が参加を避けた可能性もあります。

33人の希望を、すべての飼い主の希望として扱うことはできません。病院側の安全や手順への考えも、この質問票だけでは分かりません。

今日からできること

  • 自分が同席を希望する理由を一行で整理する
  • 猫の観察と、自分の不安・希望を別々に病院へ伝える
  • 慣れた担当者を希望する場合は予約時に相談する

まとめ会話

マロン学長「飼い主さんの安心も大事だけど、それをぼくの反応そのものにはしないんだね。」
いち教授「両方を分けて伝えると、病院も選択肢を考えやすくなるよ。」

次回予告

同席を一律の正解にせず、受診前に何を病院へ相談するかをまとめます。

参考文献

Hare LV, et al. (2025). Applied Animal Behaviour Science, 292, 106792. https://doi.org/10.1016/j.applanim.2025.106792

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