毎日 20:00 更新 ・ 猫の「なぜ?」を研究からひもとく
ネコフリークス大学 Neko Freaks University
講座007 第1回 / 全5回

同じフードなのに好き嫌いが違うのはなぜ? — 猫の「食べたい」を考える

同じドライフードでも食いつきが違うのは、わがままだけでは説明できません。猫にとっての嗜好性とは何かを、レビュー研究の全体像と要点、見落としやすい前提から整理します。

はち助教授
はち助教授
講座007

導入会話

マロン学長「同じドライフードでも、すぐ食べる子と、ちょっと迷う子がいるよね。あれって何が違うのかな?」

はち助教授「そこには『嗜好性』が関わっているの。猫がそのごはんを食べたいと思えるかは、ひとつの理由だけでは決まらないのよ。」

マロン学長「へぇー、好みってもっと単純な話だと思ってた!」

はち助教授「最初に全体像がわかると、このあとの話もずっと読みやすくなるわ。今日は土台を整えましょう。」


📌 この回でわかること

  • 猫にとっての「嗜好性」がどんな意味か
  • ドライフードの好き嫌いが何で決まりやすいか
  • 食べない理由をひとつに決めつけない大切さ

「嗜好性」って、むずかしい言葉だけど何のこと?

嗜好性(その食べ物を食べたいと思える度合い)は、猫がごはんを前にしたときに「食べたい」「ちょっと迷う」と感じる強さのことです。
栄養バランスがよくても、猫が食べてくれなければ体には入りません。だから「体にいいか」と「食べてくれるか」は、どちらも大事なんです。

2024年に出たドライペットフードのレビュー研究では、ドライフードの食べやすさは匂い、味、食感、過去の経験などが重なって決まると整理されています。

マロン学長「ひとつだけで決まるんじゃなくて、いろんな『好きかどうか』が合わさってるんだね!」


ドライフードは何で評価されるの?

猫はごはんを前にすると、まず匂いを確認します。そのあと口に入れたときの風味や、かみやすさ、表面の感じまで見ています。
人間だと「おいしいかどうか」でまとめてしまいがちですが、猫はもっと細かく見ているようです。

ドライフードには、保存しやすい、量を管理しやすい、置きやすいというよさがあります。
でも、水分が少ないぶん香りの広がり方はウェットフードと違います。だから同じ「総合栄養食」でも、食いつきに差が出やすいんです。

研究では、匂い・味・食感・経験の組み合わせが、食べたい気持ちを左右するとまとめられています。

マロン学長「ごはんの好みって、舌だけじゃなくて鼻や思い出まで関係してるんだね!」


「食べない」をすぐ性格のせいにしない

ここはとても大事なところです。猫が食べないと、「飽きたのかな」「わがままかな」と考えたくなることがあります。
でも研究では、好みだけでなく、体調、周りの環境、これまでの食体験も関わるとされています。

たとえば、前にお腹の調子が悪かった日に食べたフードを、そのあと避けることがあります。
食器の場所が落ち着かないだけで食べ方が変わることもあります。体の不調が原因のこともあります。

だから、食べない理由をすぐひとつに決めないことが大切です。
特に急に食欲が落ちたときは、好みの問題だと決めつけず、元気や体調も一緒に見ていきましょう。

マロン学長「『この子はこれが嫌いなんだ』で終わらせないで、周りのことも見た方がよさそうなんだね。」


まずは「うちの子の食べ方」を見るところから

このシリーズでは、ドライフードそのものの話もしますが、同じくらい「猫がどう感じているか」に注目します。
すぐ食べるのか、長く匂いをかぐのか、途中でやめるのか。そんな小さな反応にもヒントがあります。

いきなりフードを変える前に、まずは今の食べ方を観察してみるだけでも見え方が変わります。
それが、次の回で見る「鼻と口は何を感じているのか」という話につながっていきます。


今日からできること

  • 猫がごはんを前にしたとき、すぐ食べるか、少し迷うかを見てみる
  • 「食べた・食べない」だけでなく、匂いのかぎ方や食べ始め方も意識してみる

まとめ会話

マロン学長「猫の好き嫌いって、思ったよりずっと奥が深いんだね!」

はち助教授「そうなの。好みはあるけれど、それだけで片づかないのが猫の食事なのよ。」

マロン学長「次は鼻とか口の感じ方を知れば、もっと理由が見えそう!」

はち助教授「ええ。第2回は、猫がごはんをどう感じ取っているかを見ていきましょう。」


次回予告

猫は何を頼りにごはんを選ぶの? 鼻と口のはたらきをやさしく見ていきます。

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