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ネコフリークス大学Neko Freaks University
講座204第5回 / 全5回

ベテランほど効かない?勤務年数の結果を慎重に読む

勤務2年未満の参加者が2週間後に高評価を得やすかった関連を、経験者への決めつけにせず整理します。

いち教授
いち教授
講座204

導入会話

マロン学長「長く猫と暮らしている人ほど、触り方も上手なんじゃないの?」
いち教授「経験は大切だよ。でも、長く続いた習慣が新しい方法を取り入れにくくする場合もある。研究の関連から考えてみよう。」

この回でわかること

  • 勤務年数と研修後評価の関連
  • 「ベテランほど下手」と言えない理由
  • 接し方を一度で完成させない見直し方

2年未満の人が高評価を得やすかった

研修2週間後の動画では、Cats Protectionで働く・活動する期間が2年未満の人の方が、2年以上の人より高いCAT適合評価を得やすい関連がありました。

著者らは、最高評価へ達する可能性が「ほぼ2倍」と説明しています。新人時期は決まったやり方がまだ固まっておらず、新しい枠組みを取り入れやすい可能性を論じました。

一方、年齢、職員かボランティアか、以前に別の猫研修を受けたかなどと、2週間後の評価には明確な関連を検出しませんでした。

勤務年数は実験条件ではない

研究者が参加者を「2年未満」「2年以上」へ無作為に分けたわけではありません。勤務年数以外にも、担当業務、猫と接する頻度、職場での役割などが違った可能性があります。

47人をさらに二群へ分けた探索結果で、2週間後の一時点を見ています。勤務年数との関連を、経験が長い人の能力や思いやりの差へ変換できません。

「ベテランは古いやり方に固執する」「新人の方が猫に優しい」といった決めつけは、研究を超えています。

経験があっても確認枠は役立つ

経験が長いほど、毎回考えなくても動ける場面が増えます。それは仕事や暮らしを支える一方、猫が変わった時、いつもの方法が合わなくなった時に気づきにくいこともあります。

CATは経験を否定する枠組みではありません。「猫が始めるか」「今の反応はどうか」「止めた後に何を選ぶか」という確認点を加えます。

家庭でも、何年一緒に暮らしているかより、今日の猫がどう反応したかを優先します。年齢、体調、生活環境が変われば、以前好きだった触れ方を避けることもあります。

著者らは、この結果から新人研修へ早めにCAT指針を組み込むことで、猫中心の接し方を最初の習慣にしやすいかもしれないと考察しています。同時に、経験が長い人には、すでに定着した習慣を変えるための別の支援が必要かもしれない、とも述べています。どちらも一組織・2週間後の関連から導いた提案で、確かめられた方法ではありません。

研究全体の限界を忘れない

研究は英国の一つの保護団体で行われ、参加者の93.6%が女性でした。6か月後は19人です。参加者が選んだ猫と90秒接した場面を評価し、猫の情報や猫側の結果は集めていません。

研修なし群もありません。観察された変化は有望ですが、他組織、他国、家庭、1年後や2年後でも同じとは限りません。

今日からできること

  • 「昔からこの触り方」という習慣を一つだけ選ぶ
  • 猫が参加する前、接触中、止めた後の三場面で反応を見る
  • 家族の経験年数を比べず、猫が離れたら全員が止める合図を共有する

まとめ会話

マロン学長「経験の長さで上手・下手を決める話じゃないんだね。」
いち教授「うん。経験を土台にしながら、今日の猫へ合わせて学び直せるかを見る研究だよ。」

講座のまとめ

英国の猫保護団体の職員・ボランティア47人に2時間の研修を行い、猫との接し方を動画で追った研究では、CAT指針に「よく沿う」行動の予測確率が研修前2%から2週間後25%、6か月後37%へ上がりました。ただし6か月後は19人、研修なしの対照群はなく、測ったのは人の行動で猫の快適さではありません。家庭では、場所と秒数の規則ではなく、猫が始めるか、接触中にどう変わるか、止めた後に何を選ぶかを見る枠として使います。

全5回はここまでです。猫へ選択を返し、自分の行動を小さく見直すところから始めましょう。

参考文献

Hatam EV, et al. (2026). Frontiers in Veterinary Science, 13, 1880180. https://doi.org/10.3389/fvets.2026.1880180

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