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ネコフリークス大学Neko Freaks University
講座185第2回 / 全5回

4時間置いてもやめられる?——論文を深く読む

10匹へマタタビ抽出物を4時間提示した実験から、接触時間4%、反応の短縮、自発的な中断を読み、依存性を断定しない考え方を学びます。

はち助教授
はち助教授
講座185

導入会話

マロン学長「マタタビがやめられないかは、どうやって調べたの?」

はち助教授「4時間いつでも触れられるようにして、接触を続けるか、反応が弱まるかを10匹で観察したの。」

この回でわかること

  • 4時間提示実験の条件
  • 接触時間4%と反応区間の読み方
  • 「依存性なし」と言い切れない理由

濾紙4枚を4時間提示した

10匹へ、湿重量100mgの乾燥葉に相当する抽出物をしみ込ませた濾紙4枚を提示しました。1枚あたりの総イリドイド量は約3.2mgです。

濾紙は4cm角で、それぞれ小さな皿の底に貼り、4枚の皿をケージの床に30cm四方の形で固定しました。試験の前、猫は20時間以上においの刺激を受けていません。ケージの前に置いたビデオカメラで4時間の行動を録画し、あとから記録しました。

研究者は、なめる、かむ、こする、転がる行動を記録しました。反応後に5分を超えて刺激へ接触しなければ、一つの反応区間が終わったと定義しました。なめたりかんだりしただけで、こすったり転がったりしなかった場合は、反応区間に数えていません。

この量は実験用抽出物の記述です。家庭の粉末や玩具へ「3.2mgならよい」と置き換えることはできません。

この抽出物は7日間乾燥させた葉から作られています。第4回で扱う「乾燥葉の方が反応が長い」という結果と同じ組成で、むしろ反応が出やすい条件でも、猫は自分から離れて反応時間を縮めました。

接触は中央値4%、それ以外が96%

反応区間は猫によって1〜10回、中央値3回でした。抽出物へ触れた時間は中央値4%。歩く、座る、毛づくろい、横になる、眠るなど、それ以外の行動が96%でした(p=0.002)。

2回目の反応があった9匹全頭で、2回目は1回目より短くなりました(p=0.004)。一つの反応区間の長さは中央値でおよそ90秒。4枚すべてを使い切った猫はいませんでした。

この設定では、猫は刺激へ戻ることがあっても接触し続けず、自分で離れて反応時間も短くなりました。

マロン学長「4時間あったのに、触っていたのは10分くらいってこと?」

はち助教授「中央値で見ればそうなるわ。残りの時間は、いつもの猫の過ごし方だったの。」

研究が置いた「依存様」の予測

研究者は、もし依存様の行動があるなら、刺激を取り続けようとする動機が非常に高い、接触をやめにくい、時間がたっても関心が低下しない、観察時間の多くを接触に使う、と予測しました。人やほかの哺乳類で物質依存の特徴とされる点を、猫の行動に置き換えた予測です。

観察されたパターンは、この予測に合いませんでした。そのため著者らは、物質依存の定義とは一致しないと解釈しました。

著者らは考察で、アルコールやモルヒネのような依存性のある物質が血液を通じて脳の受容体に直接働くのに対し、イリドイドは嗅覚を通じて反応を起こす点が違いの説明になるかもしれない、と述べています。ただしこれは著者の考えであり、この実験で確かめられた結果ではありません。

マロン学長「じゃあ『依存性は絶対にない』でいい?」

はち助教授「そこまでは言えないわ。10匹、4時間、特定の抽出物、行動指標だけの結果だもの。」

個体差は大きく、理由は分かっていない

反応区間が1回の猫もいれば、10回の猫もいました。10匹のうち半数は、30分以内にもう一度反応しています。著者らは、血縁の近い猫どうしで反応回数が似る傾向や、12歳の2匹が2回ずつと少なかったことに触れ、遺伝と加齢が関わる可能性を挙げていますが、原因は突き止められていないと書いています。

分からない範囲を残す

この実験は、長期間の強制摂取、離脱症状、家庭での反復使用、市販品ごとの濃度、健康状態の違いを調べていません。「この実験では依存様の特徴を観察しなかった」が正確です。

今日からできること

  • 回数だけでなく、接触していない時間も見る
  • 猫が離れたら追いかけて刺激を近づけない
  • 実験用の量を家庭の適量へ換算しない

まとめ会話

マロン学長「やめられたという観察は大事。でも一つの実験で全部を保証はできないんだ。」

はち助教授「その通りよ。次は血液検査の『変化なし』を同じように丁寧に読むの。」

次回予告

14匹の短期比較と、13匹の長期曝露履歴は、何が違うのでしょう。

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