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ネコフリークス大学Neko Freaks University
コミュニケーション掲載 2026.06.17

論文要約:猫の気持ちは、しっぽより「耳」に出やすいのかもしれない

Deputte et al. (2021). Animals

読了 約4分中級2021年発表原文 DOI →

論文の概要

Deputteら(2021)は、フランスのシェルターで暮らす猫29頭を対象に、猫同士、そして猫と人のやりとりを観察した行動研究です。観察時間は100時間で、猫同士の交流254回、猫と人の交流104回が記録されています。

猫のボディランゲージでは、しっぽの上げ下げが注目されがちです。この研究は、しっぽだけでなく耳の位置も合わせた「視覚的な組み合わせ」として猫の接近行動を見ています。猫同士のやりとりと、猫が人に近づく場面を比べている点も特徴です。

結果として、猫同士のやりとりでは、しっぽよりも耳の位置が交流結果と強く関わっていました。一方、人への接近では、しっぽを上げ、耳を立てた状態で近づく場面が非常に多く見られました。

主要メッセージ

  • 猫同士の接近では、両方の猫が耳を立てているとポジティブまたは中立的な結果になりやすい傾向がありました。
  • どちらか、または両方の耳が非直立のときは、距離を取る・逃げるなどのネガティブな結果が増えました。
  • 猫が人に近づく場面では、しっぽ上げと耳直立の組み合わせが97.8%で見られました。
  • ただし、耳やしっぽだけで猫の気持ちを断定する研究ではありません。

研究デザイン

  • 研究種別: シェルター環境での行動観察研究
  • 対象: フランスのシェルター猫29頭
  • 観察時間: 合計100時間(2月と9月に観察)
  • 猫同士の交流: 254回
  • 猫と人の交流: 104回
  • 観察項目:
    • 接近時のしっぽの位置(上げる/下げる)
    • 接近時の耳の位置(直立/横向き/後方)
    • 猫同士の交流結果(ポジティブ・中立/ネガティブ)

観察では、猫同士の接近時に、接近する側と受ける側の両方について耳としっぽの位置を記録しています。人との交流では、猫が人に近づいた場面を対象にしており、人が猫に近づいた場面は除外されています。

主な発見

猫同士の交流では、両方の猫が耳を立てていると、こすりつけや近接などのポジティブまたは中立的な結果になりやすい傾向がありました。反対に、どちらか一方、または両方の耳が直立していない場合は、逃げる、距離を取るといったネガティブな結果が増えました。

猫同士でしっぽを上げて接近したのは22.4%でした。猫同士の多くの場面ではしっぽを下げており、交流の結果を読むうえでは、しっぽより耳の位置の方が目立つ手がかりになっていました。

一方、人に近づく場面では、しっぽを上げ、耳を立てた状態が97.8%で見られました。研究者は、猫が人を「支配者」と見るというより、世話をしてくれる存在として捉えている可能性に触れています。子猫が母猫に近づく動きとの類似を考察していますが、これはあくまで研究者の解釈であり、猫の内面を直接測ったものではありません。

この研究から家庭で使えるのは、「しっぽ上げなら必ずOK」ではなく、耳としっぽ、体の柔らかさ、相手との距離、接近後の反応を合わせて見る姿勢です。特に多頭飼いでは、近づく瞬間の耳の向きが、次に距離が縮まるのか、離れるのかを読む手がかりになります。

この研究で断定できないこと

この研究はフランスの1つのシェルターで暮らす29頭を対象にした観察研究です。家庭猫すべてに同じ割合が当てはまるとは限りません。シェルター環境、猫同士の関係、個体差、人への慣れ方によって、耳やしっぽの出方は変わる可能性があります。

また、観察されたのは外から見える行動と交流結果です。耳が寝ているから必ず怒っている、しっぽが上がっているから必ず触ってよい、という心の中の診断には使えません。耳やしっぽは、他の体の動きや状況と合わせて読む必要があります。

数値で見るポイント

  • 観察対象はフランスのシェルター猫29頭でした。
  • 観察時間は合計100時間でした。
  • 猫同士の交流は254回、猫と人の交流は104回記録されました。
  • 猫同士の接近で、接近する猫がしっぽを上げていたのは22.4%でした。
  • 人への接近では、しっぽ上げと耳直立の組み合わせが97.8%で見られました。
  • 解析対象となった猫同士の交流196回では、ポジティブまたは中立的な結果が43.9%、ネガティブな結果が56.1%でした。
  • ネガティブな結果の80.9%は、どちらかまたは両方の耳が直立していない場面で起きていました。

暮らしへのヒント

  • しっぽだけで機嫌を決めつけず、耳とセットで見る。
  • 耳が横や後ろに向いているときは、無理に触ったり近づけたりしない。
  • しっぽを上げて近づいてきても、耳、目、体の硬さ、逃げ道の有無を見る。
  • 多頭飼いでは、接近する瞬間の耳の向きと、接近後に距離が縮まるか離れるかを観察する。
  • 猫同士の緊張が見えたら、叱って止めるより、距離を取れる場所や逃げ道を用意する。
  • 人へのしっぽ上げは前向きなサインとして受け取りやすいが、触るかどうかは猫の反応を見て決める。

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本サイトの記事は、学術論文をAI技術を用いて要約・翻訳したものであり、獣医師による診断・治療に代わるものではありません。愛猫の健康状態に不安がある場合は、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。