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ネコフリークス大学Neko Freaks University
コミュニケーション掲載 2026.06.17

論文要約:猫のスローブリンクとは?ゆっくりまばたき研究を読む

Humphrey et al. (2020). Scientific Reports, 2020年10月

読了 約5分中級2020年発表原文 DOI →

論文の概要

この論文は、猫が人に向けて行う「スローブリンクシーケンス」を、2つの実験で調べた研究です。スローブリンクシーケンスとは、半まばたきに続いて、目を細めたり閉じたりする一連の動きのことです。

1つ目の実験では、飼い主がスローブリンクをしたとき、猫の目を細める動作や半まばたきが増えるかを調べました。2つ目の実験では、初対面の実験者がスローブリンクをしたあと、猫がその人に近づきやすくなるかを検証しています。結果として、猫は人のスローブリンクに反応し、条件によっては接近行動も増えることが示されました。

ネコフリークスではこの論文を、「猫に好かれる方法」の裏技としてではなく、猫と人の距離感を丁寧に調整するための基礎研究として扱います。猫のまばたき、目線、初対面の接し方、警戒している猫への向き合い方を考える講座やお悩み記事の土台になります。

主要メッセージ

  • 飼い主がスローブリンクをすると、猫も目を細める動作や半まばたきを返しやすくなる
  • 初対面の相手でも、スローブリンク後に猫が近づきやすくなる傾向が示された
  • 目を細める動作は、猫と人の穏やかなコミュニケーションと関係する可能性がある

研究デザイン

この研究は、家庭で暮らす猫を対象にした行動実験です。実験1では、飼い主が猫にスローブリンクを見せる条件と、同じ部屋にいるだけで猫に働きかけない条件を比較しました。14世帯21匹が参加し、最終分析には18組の猫と飼い主ペアが含まれています。

実験2では、初対面の実験者がスローブリンクを見せる条件と、中立的な表情で猫の側面に視線を向ける条件を比較しました。24匹が募集され、最終分析には18匹が含まれています。直接見つめる条件は、予備試験で猫に不安定な反応が見られたため、対照条件から外されています。

行動の記録には、CatFACS(Cat Facial Action Coding System:猫の顔面動作を客観的に記録する方法)が使われました。半まばたき、目を閉じる動作、通常のまばたき、目を細める動作を分けて記録し、2人の観察者の判定一致度も確認されています。


主な発見

実験1では、飼い主がスローブリンクをしたとき、猫が目を細める頻度は対照条件より高くなりました。半まばたきについては、オス猫で増加が見られましたが、メス猫では同じ形では出ていません。

実験2では、初対面の実験者がスローブリンクをしたあと、猫の半まばたきと目を細める動作が中立条件より増えました。また、実験者が手を差し出したとき、スローブリンク後の方が猫が近づきやすい傾向も示されました。

この結果は、スローブリンクが猫にとって人との穏やかな相互作用に関わるサインである可能性を示しています。ただし、これは「どの猫にも必ず効く合図」という意味ではなく、猫の状態、距離、相手、環境によって反応は変わります。


この研究で断定できないこと

この研究だけで、スローブリンクが猫の「好意」や「安心」を直接証明したとは言えません。目を細める動作や接近行動が増えたことは示されていますが、猫の内面そのものを直接測ったわけではありません。

また、サンプル数は大きくありません。実験1・実験2とも最終分析は18例であり、性別差や個体差については、今後の研究でさらに確認する必要があります。

家庭で試す場合も、猫を正面から見つめ続けたり、反応を求めて距離を詰めたりする使い方は避けた方がよいです。この研究でも、初対面の人が直接見つめる条件は猫に負担になりうるため、対照条件が調整されています。


数値で見るポイント

実験1の指標スローブリンク条件対照条件p値
目を細める速度0.06(±0.07)回/秒0.03(±0.03)回/秒0.017
半まばたき速度(オス猫)0.21(±0.15)回/秒0.15(±0.06)回/秒0.003

実験1では、飼い主がスローブリンクをした間、猫が目を細める頻度がおよそ2倍になりました。半まばたきはオス猫で増加が見られましたが、この結果を「オス猫の方が必ず反応しやすい」と一般化するには注意が必要です。

実験2の目の動きスローブリンク条件中立条件p値
半まばたき5.33回(±6.10)1.94回(±1.77)0.007
目を細める2.78回(±3.73)0.33回(±0.97)0.002
実験2の接近行動接近中立回避
スローブリンク後14匹(78%)4匹(22%)0匹(0%)
中立条件後9匹(50%)7匹(39%)2匹(11%)

接近スコアは、スローブリンク後が平均スコア(M)=2.78、中立条件後がM=2.39で、差が見られました(p=0.035 ※p値は観察された差が偶然だけで起きる確率を考えるための統計指標)。観察者間信頼性はCronbachのアルファ=0.9(観察者間の高い判定一致度を示す指標)で、目の動きの判定は高い一致度で記録されています。


暮らしへのヒント

  • 猫が落ち着いているときに試す: くつろいでいて、こちらを少し見ているタイミングが向いています。
  • 正面から見つめ続けない: 目を合わせすぎず、少し視線を外しながらゆっくりまばたきします。
  • 反応を求めない: 猫が返してくれなくても失敗ではありません。その場にいられること自体が前進です。
  • 初対面では距離を優先する: いきなり合図を送るより、手のにおいを嗅がせる、横向きに座る、逃げ道を残すことが先です。
  • 医療や保護の場では補助的に使う: スローブリンクだけでストレスを消せるわけではありません。環境、音、距離、扱い方と合わせて考える必要があります。

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本サイトの記事は、学術論文をAI技術を用いて要約・翻訳したものであり、獣医師による診断・治療に代わるものではありません。愛猫の健康状態に不安がある場合は、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。