猫に慣れている人ほど触り方が上手?経験と接し方を比べた研究
猫を長く飼ってきた人ほど上手に触れる?英国の保護施設で119人の接し方を観察した研究から、経験と猫主導の触れ合いを分けて考えます。


目次
結論:経験年数だけでは「猫のペースで触れている」とは言えません
「長く猫を飼っているから、触り方には慣れているはず」。そう思うのは自然ですが、英国の保護施設で初対面の猫への接し方を調べた研究では、飼育年数と、猫が接触を選べる接し方は同じ指標ではありませんでした。猫と暮らした年数が長い人ほど、猫主導に近い接し方の成分得点は低い関連でした。
ただし「長く飼うと触り方が下手になる」という意味ではありません。経験が原因だと確かめた研究ではなく、個人の上手・下手を採点する結果でもありません。まず目の前の猫が、自分から近づき、嫌なら離れられるかを見る手がかりとして読みましょう。
何を比べた研究?
Finkaら(2022)は英国の保護施設で、参加者が初対面の猫と各5分間接する場面を撮影しました。参加者120人のうち質問票が揃った119人、猫114匹から条件に合う100匹を分析しています。社交的な保護猫が対象で、参加者は椅子に座り、猫を抱き上げたり追いかけたりできませんでした。
動画から13種類の行動を数え、頻度や時間の20指標を七つの成分に要約しました。七成分は「人間を七種類に分ける性格診断」ではありません。猫が近づいたときに応じ、人からむやみに触り続けない第1成分が、研究者の望ましい接し方の評価と最も強く関連しました。これは猫の長期的な幸福や、人への好意を直接測った値ではありません。
「飼育歴が長い人は下手」ではない理由
飼育年数の長さは第1成分と負の関連でした。一方、動物に関わる仕事やボランティア経験は同成分とやや正の関連でした。猫を飼った年数と、いろいろな動物への専門的な接触は別の経験です。
自分の猫知識・経験を高く評価する人は、研究で比較的好まれやすいとした頬・耳の付け根・あご下に触れる成分が高い一方、お腹・尾の付け根などを触る成分もやや高い関連でした。自信が高ければ常に猫のペースに合う、という結果ではありません。ただし観察研究なので、なぜ関連したかは分かりません。
家庭の愛猫にも当てはまる?
この研究は「飼い主と愛猫」の長い関係を調べていません。参加者は初対面の保護猫に接し、猫が手の届くところに150秒以上いる動画が分析条件でした。最初から人を避けた猫、家庭の猫、怖がりの猫では結果が違うかもしれません。
猫が誰を好むか、飼い主の性格に似るかも測っていません。「触る場所」の一般論より、今この猫が接触を始めるか・離れるかを見てください。急に触られることを嫌がる、痛そうにする、攻撃性が強くなるなど変化があれば、接し方や性格だけで説明せず獣医師に相談しましょう。
今日、見直せる一つのこと
撫でる前に少し待ち、猫が自分から距離を縮めるか確かめてみてください。短く触れた後に一度手を止め、猫が続けるか離れるかを観察します。触れ合わない選択も尊重できます。これは研究が家庭での効果を証明した手順ではなく、猫の反応を見落とさないための考え方です。
よくあるご質問
Q. 飼育歴が長いと猫に嫌われますか?
この研究は猫の好意を測っていません。飼育年数と人の行動成分の関連から、嫌われるかは分かりません。
Q. 猫の頬だけ撫でれば正解ですか?
部位だけでは決まりません。猫が自分から接近したか、触れている間も続けたい様子か、離れられるかを見てください。
Q. 猫を抱っこするのは悪いことですか?
この実験では抱き上げを禁止していました。家庭での抱っこの是非や個々の猫の好みを検証した結果ではありません。
管理人のコメント
マロンは、家族の中でも私の方によく近づいてきます。振り返ると、私は遊びたそうな時だけかまって、それ以外はあまり干渉しないようにしていました。どれだけ猫に慣れているかより、目の前の猫のペースに合わせられているかの方が大事なのかもしれません。