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ネコフリークス大学Neko Freaks University
講座056第3回 / 全5回

B3だけ正答が下がった——偶然水準をどう読む?

食べ物がAからBへ初めて変わるB3で、実験者非明示、飼い主明示、飼い主非明示の正答は偶然水準でした。一方、見知らぬ実験者の明示条件は高い正答を維持。試行内と条件間の違いを分けます。

いち教授
いち教授
講座056

導入会話

マロン学長「三条件でB3が偶然水準なら、猫の半分が必ずAを選んだの?」

いち教授「人数の棒グラフは近いけれど、統計用語の偶然水準は『0.5と区別できない』という意味だよ。」

マロン学長「条件内の前後と、条件同士の比較も分ける必要がありそうだね。」

この回でわかること

  • B3が探索の切り替えを示す理由
  • 条件内比較と条件間比較の違い
  • 高正答だった一条件を一般化できない理由

最初の二回はAで成功する

A1とA2では同じ場所Aに食べ物があります。猫は正しい側を選べば食べ物を得ます。その直後、B3では目の前で反対側Bへ移します。

もし猫が現在の隠し場所だけを使えばBを選びます。直前の成功場所Aへ戻れば、研究上は固着です。ただし選択の背後にある注意や記憶を直接測ったわけではありません。

B4もBですが、B3で正答した猫はBの成功を経験し、誤った猫は食べ物を得ていません。A5では再びAです。五試行は同じ意味ではなく、B3が最初の切り替えとして特別です。

実験者明示だけ試行差がなかった

見知らぬ実験者が明示的に呼びかけた条件では、A1からA5まで正答率に有意な試行差がありませんでした。B3も偶然水準より高く、固着の増加は見られませんでした。

実験者の非明示条件では、B3が他の四試行より低くなりました。飼い主の明示条件ではB3がA1、A2、A5より低く、飼い主の非明示条件ではB3がA1、A2より低い結果です。

三条件のB3は偶然水準でした。B4では実験者非明示だけが偶然水準で、他では再び高い正答が見られました。一度切り替えを経験すると、次のBでは選び方が変わった可能性があります。

条件間差は一組だけ

B3を四条件の間で比べると全体差がありました。対比較で有意だったのは、実験者非明示が実験者明示より低い組み合わせだけです。

実験者明示と飼い主明示、実験者明示と飼い主非明示など、他の対比較には有意差がありませんでした。グラフの棒が違って見えても、「知らない人の方が飼い主より正答させた」と直接結論するのは強すぎます。

マロン学長「一条件だけ高く見えても、全ての組み合わせに統計的な差があったわけじゃないんだ。」

いち教授「そう。確認できた差と、著者が考えた説明を分けよう。」

飼育場所と同居犬は「差なし」ではない

B3・B4と、室内、屋外、出入り自由などの飼育場所には有意な関連がありませんでした。同居犬の有無にも関連はありませんでした。

これは飼育場所や同居犬が猫の認知へ絶対に影響しないという証明ではありません。小さく選抜された標本で、この課題のB3・B4成績との関連を検出しなかったという範囲です。

今日からできること

  • 「偶然水準」を全個体の失敗と読み替えない
  • グラフでは条件内の変化と条件間差を別々に確認する

まとめ会話

マロン学長「B3は最初の切り替え。三条件で偶然水準でも、条件間差は一組だけだったんだね。」

いち教授「うん。次は、なぜ実験者明示だけ違ったのかという解釈を検討しよう。」

マロン学長「結果と仮説を混ぜずに読むよ。」

次回予告

飼い主への慣れ、見知らぬ人の新奇性、明示的な呼びかけ。著者の二つの説明を、測定事実と分けます。

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