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ネコフリークス大学Neko Freaks University
講座149第1回 / 全5回

27匹・227時間で何を観察した?

1施設の27匹を、スキャン・全発生・焦点個体で記録した研究範囲を確認します。

はち助教授
はち助教授
講座149

導入会話

マロン学長「227時間も見たなら、猫カフェの猫のことは全部分かる?」

はち助教授「長い観察でも1施設なの。まず、何をどう数えたか確認しましょう。」

この回でわかること

  • 観察した施設・猫・時間の枚数
  • 三種類の記録方法
  • 1施設の観察を一般化しない理由

猫カフェという新しい観察の場

Hirschら(2025)の論文は、猫カフェを「なじみのない環境で、なじみのない人と接する猫の行動を調べられる新しい場」と位置づけています。スウェーデンで最初の猫カフェが開いたのは2019年のストックホルムで、この研究はその施設で行われました。

論文の背景には、人と猫の両方の側面が書かれています。人にとって猫との触れ合いは、人との付き合いより負担が少ないと感じられることがある。一方で猫は、単独で縄張りを持つ祖先から生まれた動物で、見知らぬ猫との同居や閉じられた空間はストレスになり得る。猫は争いを避けるために距離を取るか離れるかを選ぶ動物ですが、人が作った環境ではそれが難しいこともある、という前提です。

新しい環境への慣れについても、論文は先行研究を引いています。シェルターに入った猫の多くは2週間ほどで行動上のストレスが下がるものの、約4%は下がらず、集団で飼育される猫では8か月以上かかることもある、という報告です。猫カフェのように猫も人も入れ替わる場では、慣れの過程はさらに複雑になり得る、というのが著者らの前提でした。

27匹・70日・227時間

スウェーデンの猫カフェで、去勢・避妊済みの猫27匹を70日間・計227時間観察しました。猫は1歳未満から10歳、中央値4歳で、元家庭猫18匹、元野良7匹、コロニー出身2匹です。すべて譲渡を待つ猫で、8〜9匹の入れ替わる集団でした。滞在期間の中央値は8週間です。

施設には来店客も入る60平方メートルのラウンジと、猫とスタッフだけが入れる18平方メートルの猫専用室がありました。同時入場は最大14人、10歳未満の子どもは入れません。来店客には、猫を抱かない、追いかけない、留まることを強制しない、施設のおもちゃだけで遊ぶ、原則として食べ物を与えない、という規則が案内されていました。

スタッフは10人で、平日は2人、週末は3人が勤務し、営業時間外にも猫の世話や清掃をしていました。著者らは「スタッフの手厚い世話にもかかわらず」という書き方で、それでもストレスに関わる行動の兆しが見られたと述べています。

三つの記録方法

場所と行動は10分ごとのスキャン、猫同士は全発生、来店客との接触は各猫15分の焦点個体観察で記録しています。スキャンは合計12,505回、焦点個体観察は各猫1日1回でした。観察者は一人で、猫の背景情報は観察が終わるまで読みませんでした。

マロン学長「10分ごとに全員の居場所を見て、猫同士のやりとりは全部数えて、人との接触は一匹ずつじっくり見たんだね。」

はち助教授「そう。何を知りたいかで、数え方を変えているの。」

観察期間に起きたこと

観察は2020年10〜11月と2021年1〜4月の二期に分かれました。二期目はCOVID-19の対策で営業時間や給餌の時刻が何度も変わっています。著者らは、この変化が猫の行動に影響した可能性を限界として挙げています。営業中の店内なのでビデオ撮影ができず、観察者間の一致も確認できませんでした。

観察量が多くても、1施設の関連を全猫カフェや家庭猫の法則へ広げません。

今日からできること

  • 数値の前に、施設数・猫数・観察方法を見る
  • 場所の記録と接触の記録を分ける
  • 観察研究か、設備を変えた介入研究か確認する

まとめ会話

マロン学長「たくさん見たけど、一つの店の、特別な時期の記録なんだね。」

はち助教授「その前提を持って、次は猫がどこにいたか、高い場所の49.3%を読みましょう。」

次回予告

高い場所49.3%と来店客の多さの関連を読みます。

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