猫カフェで猫に触る時は?高い場所や奥へ追わない見方
猫カフェで猫に触れてよいか迷った時、施設ルールを確認し、高所や奥へ追わず、猫が近づく・離れる選択を残す見方を解説します。


目次
結論:触れる前に、施設の規則と猫がいる場所を見ます
猫カフェでは、まずその施設の接触・遊び・撮影・給餌の規則を読みます。施設ごとに運用や猫の状態が違うため、一般的な「正しい触り方」より現場の案内が優先です。
高い棚、隠れ場所、猫だけが入れる奥にいる猫へ、触るために近づいたり追ったりしません。猫が自分から近くへ来ても、そこに留まることを強制せず、向きを変える・身体を引く・離れる変化があれば追わずに終えます。
触れた回数を来店の成功にせず、猫が近づく・留まる・離れる選択を残します。
1施設の27匹を227時間観察した研究
Hirschら(2025)は、スウェーデン・ストックホルムの猫カフェ1施設で、譲渡対象の猫27匹を70日・計227時間直接観察しました。
施設には、来店客と猫が過ごす60平方メートルのラウンジと、スタッフと猫だけが入れる18平方メートルの猫専用室がありました。猫は8〜9匹の入れ替わる集団で、全て去勢・避妊済みでした。
観察時の施設は来店客へ、猫を抱かない、追いかけない、留まらせない、施設の玩具だけで遊ぶ、猫へ食べ物を与えないという規則を案内していました。
この研究は規則を導入した前後や、規則のある施設とない施設を比較していません。したがって、その規則が特定の効果を生んだと証明した研究ではなく、観察が行われた条件として読みます。
猫は高い場所と猫専用室も使っていた
10分ごとの12,505スキャンでは、猫は31.6%を猫専用室、68.4%をラウンジで過ごしていました。床・家具・棚の3レベルでは、棚など高い場所が49.3%でした。来店客の占有が高い時に、高いレベルの利用が相対的に多いという関連もありました。
ただし、高所へ行った理由や猫の感情を直接測ったわけではありません。高所の追加前後も、ストレス指標も調べていません。
来店者として大切なのは、49.3%を設備基準にすることではなく、高所や猫専用の奥を「触りに行く場所」ではなく、猫が距離を選べる場所として扱うことです。
接触しない44.4%を「人嫌い」にしない
各猫を15分ずつ見た焦点個体観察では、観察時間の44.4%で来店客との接触がありませんでした。非接触の注意は29.0%、接触を伴う注意は23.2%でした。
接触がなかった理由は一つではありません。休んでいた、離れた場所を使っていた、人や他猫との距離を調整していたなど複数の可能性があります。研究は個々の猫の「人嫌い」「怖がり」をこの割合から診断していません。
猫が寄ってこない時に、棚の下まで追う、奥へ手を伸ばす、何度も名前を呼ぶ、玩具で必ず近づけようとすることは避けます。接触しない時間も、その猫が選んだ過ごし方として残します。
触る前の確認を5段階にする
1. 施設の規則を読む
触れてよい場所、抱っこ、玩具、撮影、給餌、猫専用区画について、入口の掲示やスタッフの説明を確認します。以前行った別の猫カフェの規則を持ち込みません。
2. 猫がいる場所を見る
高い棚、箱や囲いの中、猫専用区画の近く、通り道で休む猫へ接触を求めません。施設が「休憩中」「触らない」など個別の表示をしていれば従います。
3. 自分から距離を詰めすぎない
猫がこちらを見たことだけで、触ってほしいとは決まりません。正面から囲まず、移動経路を塞がず、猫が離れられる余地を残します。
4. 猫の変化を見る
猫が自分から近づいた場合も、耳・目・尾の一つだけで可否を決めません。身体を引く、顔や胴をそらす、位置を変える、離れるといった全体の変化があれば追いません。
5. 迷ったらスタッフに聞く
猫ごとの状態、休憩、接触方法は、その場のスタッフが把握している場合があります。自分の経験だけで判断せず、触らず待つ選択も含めて確認します。
「この人数なら大丈夫」という基準は作れない
原著は来店客数を低・中・高へ分け、高い区分で高所利用が多い関連を示しました。しかし、解析に使った29人という境界は観察セッション中の来店客数で、同時入場の安全上限ではありません。この施設の同時入場上限は14人でした。
14人もこの施設の運用条件であり、全猫カフェの推奨定員ではありません。混雑が気になる場合は、施設が案内する予約・人数・滞在ルールに従います。
猫同士の接触も、関係判定には使わない
猫同士の接触は0.58回/猫/時でした。結果節では親和的53.0%、敵対的47.0%でしたが、差は有意ではありませんでした。接触が少ないことを「みんな仲良し」、敵対的接触が見えないことを「問題なし」と決められません。
来店者が猫同士の間へ手を出したり、接触を止めようと追いかけたりせず、気になる場面はスタッフへ伝えます。家庭での多頭飼いの相性は猫同士の仲が悪い?多頭飼いでまず見直すこと、遊びとケンカの見分け方は猫のケンカと遊びの見分け方|取っ組み合いで見るポイントで扱っています。
この研究から言えないこと
研究は1施設だけで、比較施設はありません。COVID-19対応で営業時間や給餌時刻も変わりました。観察者は1人で、複数観察者による一致度は確認していません。
高所や猫専用室を追加する実験ではなく、コルチゾール、健康、譲渡後の人との関係も測っていません。高所を使えばストレスが減る、猫専用室があれば接触が安全になる、この触り方なら好かれるとは言えません。
人の年齢・性別群と猫の反応については、結果本文とFigure 6で検定値が一致しないため、本記事では属性別の触り方や好みの根拠に使いません。
よくあるご質問
Q. 猫が自分から寄ってきたら必ず触ってよいですか?
近づいた目的は接触とは限りません。施設の規則を確認し、動線を塞がず、猫が留まるか離れるかを見ます。不明ならスタッフへ聞きます。
Q. 高い棚にいる猫へ手を伸ばしてもよいですか?
高所は猫が来店客との距離を選ぶ場所になっている可能性があります。施設が明示的に案内しない限り、触るために追ったり手を伸ばしたりしません。
Q. 猫が触らせてくれないと、猫カフェを楽しめませんか?
接触しない時間も観察されています。猫がどの高さや場所を選び、どう移動するかを静かに見ることも、猫の選択を尊重した過ごし方です。
Q. 空いている時間なら触りやすいですか?
原著は時間帯ごとの「触りやすさ」を比較していません。混雑と高所利用の関連から、空いていれば接触できるとは言えません。
管理人のコメント
実家のはちは、お父さん以外に抱っこされると基本的に怒ります。家族に対してさえそうなので、猫カフェの猫にとって、初めて会う人に触られるのはなおさら大きなことかもしれません。触れるかどうかより、猫が自分で近づくか離れるかを選べる時間を楽しみたいと思っています。