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ネコフリークス大学Neko Freaks University
講座149第2回 / 全5回

高い場所49.3%をどう読む?

高い場所の利用率と、必要な設備量や介入効果の違いを整理します。

はち助教授
はち助教授
講座149

導入会話

マロン学長「棚が49.3%なら、部屋の半分を高所にすればいい?」

はち助教授「利用率と、必要な面積や設備量は別なの。何と何の関連が見つかったのかを見ましょう。」

この回でわかること

  • 猫がどこにいたか
  • 来店客の多さ・滞在期間との関連
  • 利用率を設備の量へ変換しない理由

猫はどこにいたか

12,505回のスキャンのうち、31.6%は猫専用室、68.4%はラウンジでした。ラウンジの中でも、入口から遠いエリアが45.2%を占めています。垂直方向で見ると、棚など高いレベルは49.3%でした。個体差は大きく、ほとんど高い所にいる猫も、床を好む猫もいました。

ラウンジで見られた行動は、休息が31.7%、社会行動が12.8%、観察者から見えない場所にいる「視界外」が10.7%でした。移動、探索、遊びは全体の中で小さな割合でした。

混んでいる時ほど高い場所

来店客の占有が高い時は高いレベルが多く、低〜中の時は床や家具が相対的に多く使われました。来店客が少ない時間帯には、猫専用室にいる割合や、遊び、休息、毛づくろいなどの維持行動が期待より多く見られました。

著者らはこれを、来店客が多い時には床で休むことが妨げられ、猫が高い場所へ移って補っていた可能性、そして猫専用室は人が少ない時に自由に動ける場所として使われていた可能性、と読んでいます。高い場所や隠れ場所は、猫が新しい環境に対処する時の大切な手段だという先行研究とも一致する、という考察です。

マロン学長「人が多いと、猫は上へ逃げるんだね。」

はち助教授「逃げる、とまでは決められないわ。上を選んだ、という観察なの。理由は著者の解釈よ。」

来店客の多さは、観察中に実際にいた人数ではなく、その日の予約人数で区分されました。著者らは、猫はその時いる人だけでなく一日を通して見知らぬ人にさらされ続けることの影響を受け、ストレスの後に回復する時間も必要なので、予約人数の方が猫にとっての負荷を表しやすい、と説明しています。同時に14人までという上限もあったため、瞬間の人数より一日の累積を見た、という判断です。

滞在期間による違い

滞在6週未満の猫は床や家具、6〜12週の猫は棚、12週超の猫は床が相対的に多くなっていました。ただし、これは同じ猫が時間とともに変わっていく様子を追ったものではありません。調査時点で滞在期間が違う猫たちを横に並べて比べた関連で、慣れの過程を示すものではないと著者らも注意しています。

49.3%は「必要な高所の量」ではない

しかし、床・家具・棚の利用可能な面積や数を同じにした選択試験ではありません。高所を追加した前後も比べていません。この施設にあった棚の数や高さで、猫がどれだけそこにいたかを数えただけです。

来店客数の区分に使われた「観察時間中に29人未満」という線も、解析のために分けた区切りで、安全な定員や混雑の上限ではありません。

家庭で参考にできるのは数字ではなく見方です。来客がある日、掃除機をかける時、家族が増えた時に、猫がどの高さ、どの部屋にいるかを普段と比べる。その差が、猫がその場をどう受け止めているかを考える材料になります。

49.3%はこの施設で記録された利用の割合で、猫一般に必要な高所の量や高さではありません。

今日からできること

  • 利用率の分母と観察単位を確認する
  • 設備の有無を変えた試験かを見る
  • 混雑した時間に使う高さ・部屋が変わるか記録する

まとめ会話

マロン学長「高い場所を使っていた、までは言えるけど、どれだけ必要かは分からないんだね。」

はち助教授「ええ。次は猫同士のやりとりを見るわよ。少ないことを『仲良し』と読んでいいかどうか。」

次回予告

猫同士の接触が少ないことを「仲良し」としてよいか考えます。

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