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ネコフリークス大学Neko Freaks University
講座149第3回 / 全5回

接触が少ない=仲良し?

猫同士0.58回/猫/時と、親和的53%対敵対的47%を有意差と分母まで含めて読みます。

はち助教授
はち助教授
講座149

導入会話

マロン学長「猫同士の接触が少なく、親和的が多いなら平和だった?」

はち助教授「接触しなかった時間と、53対47の有意差を分けましょう。少ないことの意味は、一つではないの。」

この回でわかること

  • 猫同士の接触の回数と種類
  • 親和的と敵対的の割合の読み方
  • 「接触が少ない」に含まれる別の意味

1匹あたり1時間に0.58回

猫同士の接触は349件、0.58回/猫/時でした。著者らの以前の研究でも、猫の入れ替わりが多く来訪者との接触が頻繁なシェルターで、1匹あたり1時間に0.5回未満という似た数字が出ています。猫が集団で暮らしていても、直接のやりとりはそれほど多くない、というのが二つの観察の共通点です。

結果節では親和的53.0%、敵対的47.0%でしたが、差は統計的に有意ではありませんでした(p=0.261)。個体差は大きかったものの、この標本では性別との関連は確認されていません。

血縁や旧知の猫でも、やりとりは少なかった

集団の中には、血縁のある三つのグループと、以前から一緒にいた五つのペアが含まれていました。先行研究では、血縁や慣れた相手ほど近くにいて親和的な行動が増えるとされていますが、この施設ではそうした猫同士のやりとりも少なかったと著者らは書いています。譲渡で猫が入れ替わり続ける環境が、関係の維持を難しくしていたのかもしれない、という考察です。

マロン学長「知っている猫同士でも、あまり関わらなかったんだね。」

はち助教授「そうなの。だから『関わらない=仲が悪い』とも、『喧嘩がない=仲が良い』とも決められないのよ。」

抄録と本文で割合が違う

抄録は親和的51.9%と記載し、結果節との分母の違いを明記していません。親和的181件を全349件で割るとおよそ51.9%、どちらとも言えない8件を除いた341件で割るとおよそ53.1%になります。原著がどちらの計算かを書いていないため、この差を推測で直さず、結論は「53対47の差は有意でない」に留めます。

休息や不活発が多いことには、別の説明もあります。猫が気に入った場所を定めると活動が減る、という研究もあり、観察者の印象もそれに近かったと著者らは書いています。ただし、この研究の方法はキャットタワーや隠れ場所といった個別の設備の使われ方を区別するように設計されていなかったため、どの説明が当たっているかは決められません。

距離を取る、という選択

著者らは考察で、この施設の猫は他の猫を避けるために距離を保ったり、姿を隠したりしていたと述べています。休息や動かない時間が多かったことも、他の猫を避けていた表れかもしれない、と読んでいます。シェルターの研究では、他の猫を避けられない住環境で攻撃が増えるという報告もあります。

同時に著者らは、この観察方法では本当に眠っているのか、眠ったふりをしているのかを区別できなかったことを限界に挙げています。眠ったふりはストレスの表れとして指摘されてきた行動です。休息が多いことを「落ち着いていた」とだけ読むことはできません。

接触が少ないことは、距離を取る・避ける選択を含み、集団が仲良しだった証明にはなりません。

今日からできること

  • 接触の回数と、接触の種類を分ける
  • 割合差に有意差があるか確認する
  • 接触だけでなく、離れる・視界外になる場面も見る

まとめ会話

マロン学長「静かに見えても、避けている時間が入っているかもしれないんだね。」

はち助教授「ええ。次は人との接触を見ましょう。接触がなかった時間が半分近くあったの。」

次回予告

来店客との接触がなかった44.4%を読みます。

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