猫と遊べない日が続く。最初に見直す三つの壁
猫と遊びたいのに、疲れや忙しさで続かない。その理由を能力・機会・動機の三つへ分けた、47か国1,599人の質問票研究を読みます。できない自分を責める前に、最初の一つを見つけます。

導入会話
マロン学長「今日こそ猫と遊ぼうと思っていたのに、気づいたら寝る時間。やる気が足りないのかな。」
いち教授「やる気だけで考えると、疲れも時間も道具も全部同じ箱に入ってしまうよ。」
マロン学長「続かない理由を、先に分けてみるんだね。」
この回でわかること
- 遊びが続かない理由を意志だけにしない見方
- COM-Bが分ける能力・機会・動機の違い
- 1,599人の調査で多かった遊びの壁
三つの箱へ分けてみる
Delgadoらは、猫じゃらしで毎日遊ぶ時の壁をCOM-Bで整理しました。CはCapability、実行に必要な知識や身体的な力です。OはOpportunity、時間や道具などの機会です。MはMotivation、計画、習慣、楽しさなどの動機です。
たとえば「今日は無理だった」だけでは、次に何を変えるか決まりません。疲れて手が動かなかったならC、猫じゃらしを探しているうちに時間がなくなったならO、始める合図がなく忘れたならCやMが関わります。
マロン学長「同じ『できなかった』でも、必要な工夫が違うんだ。」
一番多かったのは習慣の壁
47か国の有効回答1,599件では、猫じゃらしを定期的に使う人は47.5%でした。一方、報告された壁で最も多かったのは「毎日の習慣にできない」39.3%。次いで「生活上の用事が入る」28.3%でした。
精神的な疲れと仕事で時間がないは各22.7%、身体的な疲れは22.0%、遊ぶのを忘れるは19.3%でした。遊ぶことが大切だと知らない人だけが止まっていたのではありません。知っていても、実行する条件がそろわないことがあります。
5分を合格ラインにしない
研究は、猫じゃらしで毎日5〜10分遊ぶことを目標行動に置きました。質問項目では最低5分を基準にしています。ただし、1分、5分、10分を比べて、猫に最適な量を決めた実験ではありません。
家庭で大切なのは、5分できたかの採点より、猫が参加するかを選べることです。猫が離れる、伏せて休む、別の行動へ移るなら、時間が残っていても終えます。遊べなかった日は失敗と決めず、どの壁が近かったかを一つだけ記録します。
今日からできること
- 遊べなかった理由をC・O・Mのどれか一つへ仮置きする
- 時間ではなく「道具を出せた」「猫へ誘いを出せた」も記録する
まとめ会話
マロン学長「遊べなかった日は、やる気がないと決める前に、疲れ、時間、習慣のどこで止まったかを見るんだね。」
いち教授「うん。一つの壁が見えれば、次に試す工夫も小さくできるよ。」
マロン学長「今日は長さを競わず、猫が参加するか聞くところから始めるよ。」
次回予告
1,599人という数字の中身を、募集方法、回答者、母数、横断調査の限界から読みます。