猫は1日の86%を「不活発」に過ごしている
猫が1日の時間をどのように使っているのか、加速度センサーで記録された具体的な数値を紹介します。

導入会話
マロン学長「実際、猫って1日にどれくらい動いてるものなの?」
いち教授「この研究の結果を見ると、かなり少ないんだ。でも、その少なさをどう読むかが今日の本題だよ。」
この回でわかること
- 「活動的」だった時間は全体の2.8%
- 伏せる・座る・立つの合計は86%
- それを「怠け者」ではなく自然な過ごし方と読む理由
「活動的」だったのは、わずか2.8%
この研究では、猫が「活動的」だった時間の割合は、全体でわずか2.8%でした。一方、食事に5.5%、毛づくろいに5.5%、排泄には0.04%、体をかく(かゆみ行動)には0.12%が使われていました。
マロン学長「じゃあ、残りの時間は何をしてるの?」
いち教授「伏せる・座る・立つという、いわゆる『不活発』な行動に使われているんだ。合計すると、なんと86%にもなるんだよ。」
ここでいう「活動的」は、歩く、走る、跳ぶ、遊ぶといった体を大きく動かす行動をまとめた分類です。「食事」と「毛づくろい」は活動的には数えられていません。1日24時間のうち2.8%はおよそ40分、食事と毛づくろいはそれぞれ1時間20分ほどにあたります。
「怠け者」ではなく「自然な過ごし方」
マロン学長「86%って、思っていたよりずっと多いね。うちの子、大丈夫かなって心配になってたけど……。」
いち教授「この研究の健康な28匹でも、伏せたり座ったりする時間が長かったんだ。猫は短時間の活動と長い休息を繰り返す動物だから、休んでいる時間の長さだけで異常と決めつけないことが大切だよ。」
内訳を見ると、伏せる時間が36.7%、座る時間が36.6%、立つ時間が12.7%となっており、多くの時間を落ち着いた姿勢で過ごしていることがわかります。なお、この研究の「伏せる」には眠っている時間も含まれています。センサーは体の動きを見ているので、目を閉じているかどうかまでは分かりません。
この28匹は、持病のない健康な1〜10歳の猫たちです。体重は夏に平均4.6kg、冬に4.8kgで、体型の評価は9段階の6が中央値でした。標準からやや丸い体型の猫が多かったことになります。この調査集団では、持病がない猫も伏せる・座る・立つという姿勢で長い時間を過ごしていました。ただし、28匹の結果をすべての健康な猫の「標準」とすることはできません。
センサーだからこそ見える数字
マロン学長「人が見てるだけだと、こんなに細かくはわからないよね。」
いち教授「そうなんだ。今回の研究では、機械学習モデル(正解率73%)を使って、加速度データから1秒ごとに行動を自動で判定しているんだよ。だからこそ、こうした細かい数値が得られたんだ。」
正解率73%という数字は、裏返せば4回に1回ほどは判定を間違えるということでもあります。とくに「座る」と「立つ」のように動きの少ない姿勢どうしは、加速度だけでは見分けにくい場合があります。この研究の数字は、猫の一日のおおまかな配分を示すものとして読み、小数点以下の差に意味を求めすぎないことが大切です。
今日からできること
- 「うちの子は寝てばかり」と感じたら、休んでいる時間の長さだけで異常と決めつけない
- 心配なのは「多い」ことではなく「急に変わった」こと。普段の配分を知っておく
- 数字は目安と考え、小さな差で猫を評価しない
まとめ会話
マロン学長「数字を見て安心したよ。ぼくは怠け者じゃなかったんだね。」
いち教授「うん。次回は、屋外アクセスの有無や季節が、この過ごし方にどう関係しているかを見ていこう。」
次回予告
第3回は、屋外アクセスの有無や季節が、猫の活動量にどう関係していたかを見ていきます。