屋外に出られる猫は、夏に活発だった
屋外アクセスの有無や季節が、猫の活動量にどう関係していたかを紹介します。1日の活動パターンが二峰性になる理由も整理します。

導入会話
マロン学長「外に出られる猫と、室内だけの猫で、過ごし方に違いはあったの?」
いち教授「はっきりした違いが見られたんだ。季節と年齢も一緒に見ると、猫のリズムがよく分かるよ。」
この回でわかること
- 屋外アクセスのある猫は、夏も冬も室内猫より活動的だった
- 若い猫ほど活動的で、毛づくろいも多かった
- 1日の活動は明け方と夕方にピークがある二峰性だった
屋外に出られる猫は、夏にもっと活発だった
屋外アクセスがある猫は、屋内飼育のみの猫より、夏・冬いずれの季節でも活動的な時間が長い傾向がありました。夏は3.9%対2.0%、冬は2.7%対2.2%です。さらに、屋外アクセスがある猫は、夏より冬の方が活動が少なくなっていました。一方、屋内飼育のみの猫には、季節による違いはほとんど見られませんでした。
マロン学長「外に出られる猫は、季節の影響を受けやすいんだね。」
いち教授「そうだね。気温や日照時間の変化を、より直接感じられる環境にいるから、そういう違いが出てくるのかもしれないよ。」
論文は、もう一つの可能性にも触れています。猫が獲物を家に持ち帰る数は夏のほうが多いという先行研究があり、夏の活動量の多さには狩りが関わっているかもしれない、という見方です。ただし、この研究では狩りの行動そのものは記録していないので、それ以上のことは言えないと著者らは述べています。
参加した28匹のうち、屋外へ出られる猫は18匹、室内だけの猫は10匹でした。ニュージーランドでは外へ出られる飼い方が多く、日本の完全室内飼育の割合とは違います。
若い猫ほど、活動的だった
年齢も活動性に関係していました。若い猫(1〜2歳)は、夏は3〜6歳の猫より、冬は3〜6歳と7〜10歳の両方の猫より活動的な時間が長く、年齢が上がるほど活動的な時間は少なくなる傾向がありました。若い猫は毛づくろいの時間も、7〜10歳の猫より長くなっていました。
マロン学長「これは、なんとなく想像がつくね。」
いち教授「うん。この研究では、活動量の減少には、じっとしている時間だけでなく、毛づくろいの時間の減少も関係していると考察されているよ。」
高齢になって毛づくろいが減るのは、この研究では「加齢にともなう変化」として扱われています。ただし家庭では、急に毛づくろいが減った場合、関節の痛みや口の中の問題が隠れていることもあります。ゆっくり減るのと急に減るのは、別のサインとして見分けたいところです。
1日のリズムは「明け方」と「夕方」がピーク
この研究のもう一つの発見は、1日の活動パターンが「二峰性」——明け方と夕方の2回、活動と食事のピークがあるということです。夏は05:00〜09:00と20:00〜23:00頃、冬は06:00〜08:00と16:00〜19:00頃にピークが見られ、これは日の出・日の入りの時間帯とほぼ重なっていました。
マロン学長「これって、いわゆる『薄明薄暮性』ってやつだね。」
いち教授「そうそう。猫の祖先が持っていた、狩りをするのに適した時間帯のリズムが、今の飼い猫にも残っているのかもしれないね。このパターンは、屋外アクセスのある猫や、地方に住む猫で、より明確に見られたんだよ。」
室内だけの猫では、夏の二峰性がやや不明瞭でした。外の光や気温の変化を受けにくいことに加えて、人の生活時間や給餌の時間に合わせて動くようになっている可能性があります。屋内飼育の猫の活動ピークは、日の出・日の入りより、家の中の出来事に引っ張られているのかもしれません。
今日からできること
- 自分の猫が明け方・夕方に活発になる時間帯を、数日メモしてみる
- 室内飼育なら、遊びや食事の時間をその時間帯に寄せてみる
- 高齢猫の毛づくろいが「急に」減ったら、加齢と決めず獣医師に相談する
まとめ会話
マロン学長「明け方と夕方に元気になるの、なんだか納得だよ。」
いち教授「次回は、多頭飼育や子どもの有無が、猫の過ごし方にどう関係していたかを見ていこう。」
次回予告
第4回は、多頭飼育や家庭に子どもがいるかどうかが、猫の過ごし方にどう関係していたかを見ていきます。