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ネコフリークス大学Neko Freaks University
講座046第2回 / 全5回

意外だったのは、ゴロゴロの方だった

個体を言い当てやすかったのがゴロゴロだったという、予想に反する結果を扱う第2回です。

いち教授
いち教授
講座046

導入会話

マロン学長「前回の予想、外れたって言ってたよね。どうなったの?」

いち教授「個体を言い当てやすかったのは、ゴロゴロの方だったんだ。」

マロン学長「えっ、あの低い音の方が?」

いち教授「うん。研究者自身も『予想に反する』と書いているよ。」

この回でわかること

  • 同じ8匹でそろえて比べた結果
  • ゴロゴロは約22匹分、ニャーは約6匹分を区別できる計算だった
  • 2つの声は、長さも高さもまったく違う

正しく本人と当てられた割合

解析に使われたのは、ニャー276声(14匹分)とゴロゴロ557声(21匹分)です。ただし匹数も本数も違うので、そのままでは比べにくくなります。

そこで、同じ8匹から同じ本数の声をそろえて、あらためて比べ直しました。その結果、正しく本人と判定できた割合は、ニャーが約64%、ゴロゴロが約86%でした。

8匹から当てずっぽうに選べば12.5%です。どちらもそれを大きく上回りましたが、2つの差ははっきりしていました。

マロン学長「ゴロゴロの方が、その子らしさが濃いってこと?」

いち教授「音の特徴として見れば、そうなるね。意味の話はまだ先だよ。」

何匹分を区別できるか

もうひとつ、別のものさしでも比べています。声に含まれる情報量から、理屈のうえで何匹まで区別できるかを計算する方法です。

結果は、ゴロゴロが約22匹分、ニャーが約6匹分でした。ここでも差ははっきりしています。

2つの声は、まるで別物

なぜこれほど違うのか。まず、音そのものが大きく違います。

ニャーの長さは平均0.72秒で、短いものは0.17秒、長いものでも2.21秒ほどです。ゴロゴロは平均10.77秒。長いものは39秒を超えます。

音の高さの中心も、ニャーが約1738Hz、ゴロゴロが約268Hzと大きく離れています。短くて高いニャーと、長く低いゴロゴロ。作られ方も別です。

マロン学長「長い音の方が、情報が入りやすかったりする?」

いち教授「その可能性はあるね。ただ研究者は、別の理由の方を重く見ているよ。それは最終回で扱おう。」

論文を深く読む

個体の判定には判別分析(DFA)を使い、全データ・同じ8匹にそろえたデータなど複数の組み合わせで分類精度を比較しています。偶然の一致率(ニャー7.14%・ゴロゴロ4.76%)との差は二項検定で確認しました。情報量はビット単位で算出しています。詳しい数値は論文要約ページで確認できます。

今日からできること

  • ゴロゴロの長さを一度計ってみる。思ったより長く続くことが多い
  • ニャーとゴロゴロを、同じ「鳴き声」として扱わない

まとめ会話

マロン学長「人に向けて使う声の方が個性的、とは限らないんだ。」

いち教授「そこが面白いところだね。次回は、ニャーの方に何が起きているのかを見よう。」

マロン学長「ニャーは個性が薄い、ってこと?」

いち教授「薄いというより、別のものを運んでいる可能性があるんだ。」

参考文献

  • Russo D, Schild AB, Knörnschild M. Meows encode less individual information than purrs and show greater variability in domestic than in wild cats. Scientific Reports. 2025;15:43490. https://doi.org/10.1038/s41598-025-31536-7

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