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ネコフリークス大学Neko Freaks University
講座170第2回 / 全5回

「前より変わった」は、その時に測った記録?

COVID-19前の猫の行動を後から尋ねた横断質問票を、縦断観察、Fe-BARQ、多重検定の注意とともに読みます。

いち教授
いち教授
講座170

導入会話

マロン学長「前と後を比べたなら、ずっと同じ猫を記録していたのかな?」

いち教授「回答したのは2020年7月以降で、制限前の行動は思い出して評価したんだ。ここが、この研究を読む時の要になるよ。」

この回でわかること

  • 「前後」が回顧評価だったこと
  • Fe-BARQという尺度の性質
  • 探索的な多数の検定という設計

制限前の行動は、思い出して答えた

調査開始は最初の緊急事態宣言後でした。参加者は回答時点のWHO-5を答え、猫についてはCOVID-19前の期間全体と制限中の期間全体を回顧しました。制限前の行動は、回答時点からおよそ6か月以上前を思い出して評価したことになります。

制限前に一度、制限中にもう一度、その場で同じ尺度を測った縦断研究ではありません。

思い出して答える時、人は「変わった」と感じたことを大きく、変わらなかったことを小さく評価しがちです。制限中に猫と過ごす時間が増えた人ほど、猫の行動をよく見るようになり、以前は気づかなかった行動に気づいた可能性もあります。「前より増えた」という回答には、猫の変化と、見る側の変化の両方が含まれ得ます。

Fe-BARQで測った猫の行動

猫の行動にはFe-BARQを使いました。遊び・活動、注意要求、新奇恐怖、分離関連行動、過剰・強迫的な自己毛づくろいなど、多数の尺度を含みます。人や猫への社会性、鳴き声、見知らぬ人への攻撃、接触への過敏さと飼い主への攻撃、保定への抵抗、捕食行動、不適切な排泄、明け方や夕方の活動なども項目に入っています。

尺度得点は研究上の指標であり、猫のストレスや病気を診断するものではありません。「過剰・強迫的な自己毛づくろい」という尺度の得点が高いことは、飼い主がそう評価したという意味で、皮膚の病気やストレスの診断ではありません。

マロン学長「得点が高い、と、病気がある、は違うんだね。」

いち教授「そうだよ。尺度の名前が強いほど、その区別を忘れないようにしたい。」

多くの項目を探索的に検定した

研究は勤務、接触、前後、WHO-5と多数の猫・犬の行動との関係を探索しました。分析には線形モデルや線形混合モデルを使い、猫と犬それぞれで多くの行動項目を検定しています。

著者は、事前登録がなく、多重検定に対するα補正をしていないと明記しています。多くの検定を通常の5%水準で行えば、偶然だけでもいくつかは「差あり」になります。p値が小さい結果の一つ一つを、確定した効果として扱えません。著者らはこの研究を「探索的」と位置づけ、見つかった関連は今後の研究の材料だとしています。

人の側の結果

猫の飼い主では、在宅か出勤か、勤務が変わったかどうかの4群の間で、WHO-5の得点にも身体活動にも差はありませんでした。一方、猫との接触は、在宅の人ほど、勤務が変わった人ほど増えていました。接触の増減とWHO-5の得点には相関がなく、猫と多く接した人ほど気分が良かった、という関係は見つかっていません。

研究は上智大学の人を対象とする研究倫理委員会の承認を受け、参加者は目的とデータの扱いを読んで同意しています。資金は公的な研究助成で、著者らは利益相反なしとしています。データは倫理申請の条件により公開されていません。

今日からできること

  • 「前より増えた」と感じた時、日付と場面を短く記録する
  • 質問票の得点を診断名へ置き換えない

まとめ会話

マロン学長「思い出して答えた前後で、たくさんの項目を探索的に比べた研究なんだね。」

いち教授「その前提を持って、次は猫の行動の結果を、前後差と群差に分けて読もう。」

次回予告

注意要求の前後差と、接触増加群で高かった行動を分けて読みます。

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本サイトの記事は、学術論文をAI技術を用いて要約・翻訳したものであり、獣医師による診断・治療に代わるものではありません。愛猫の健康状態に不安がある場合は、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。