回答したのは誰?
特定企業の購入者、交通事故経験、屋外志向、回答率から、調査結果を適用できる範囲を確認します。

導入会話
マロン学長「446件も回答があれば、どの猫にも当てはまりそうだね。」
はち助教授「数だけじゃなくて、“誰に案内し、誰が答えたか”が大事なの。」
この回でわかること
- 質問票を送った相手と回答者の特徴
- 事故経験と屋外志向が強い集団だった可能性
- 「購入者の経験」として読む意味
顧客約1,800人に送られた質問票
質問票は、特定企業の設備を過去2年以内に買った顧客約1,800人へ、2019年5月から6月に送られました。回答者はすでに費用を払い、導入を選んだ人です。446件が回収され、整理後のデータは443人・444匹、導入前後の主要な比較には382匹が使われました。
質問は36問で、飼い主と猫の基本情報、導入前後の飼い方の変化、屋外に出すことの大切さと心配についての考えを尋ねています。項目によって答えた人数が違うため、結果ごとに分母を確認する必要があります。
事故を経験した人が半数を超えていた
383人中56.4%は過去に交通事故で猫が負傷した経験を持ち、そのうち多くは死亡事故でした。それでも378人中77.0%は「屋外へ出る猫の方が生活の質が高い」に同意または強く同意しています。事故への関心と屋外志向が強い集団だった可能性があります。
回答者の81.9%は複数の猫を飼い、中央値は2匹でした。導入前に無監督の屋外アクセスがあった猫は430匹中185匹(43.0%)で、屋外アクセスの区分を答えた382匹では、制限・監督つき47.6%、屋外なし30.9%、無制限21.5%でした。
マロン学長「事故を経験しても、外に出してあげたい気持ちは強いんだね。」
はち助教授「その両方を持っている人たちが、囲いという選択に向かったのよ。」
導入前の心配で最も大きかったのは道路でのけがで、85%の飼い主が「とても」または「非常に」心配していました。一方、狩りの自由を猫にとって大切だと考える人は少なめで、猫が野生動物を殺すことを強く心配する人は4分の1ほどでした。外を歩き回る猫を迷惑と考える人は15%強でしたが、猫が近所に迷惑をかけたら飼い主が責任を持つべきだと考える人は3分の2ほど、猫の徘徊を止める責任があると考える人は半数近くいました。回答者の多くは都市部で、比較的小さな庭を持つ家庭でした。
一般の飼い主と似ている部分、違う部分
著者らは考察で、この標本を英国の他の大きな調査と比べています。不妊化率が9割超であること、外出を制限している猫の割合、回答者の年齢層や男性の割合は、無作為に選ばれた調査と似ていたといいます。著者らはこれを「特定のタイプの飼い主だけが買っているわけではない」と読んでいます。
一方、純血種の割合は他の調査の約2倍(35.6%対17.5%)、健康上の大きな問題がある猫の割合は約半分(11.7%対23.4%)でした。全体として健康な猫が多い標本だった可能性があります。
研究は大学の倫理委員会の承認を受け、参加者の同意を得ています。資金の一部は設備の販売企業と製造業の支援プログラムから出ており、企業は顧客へ質問票のリンクを送りましたが、収集・分析・解釈・執筆には関わっていないと利益相反の欄に記されています。この関係は結果を無効にするものではありませんが、読む時には頭に置いておきます。
購入者の経験を知る調査として有用でも、一般飼い主の平均とは限りません。
今日からできること
- 研究の人数と一緒に募集先を確認する
- 「購入者」「利用者」「希望者」だけの回答かを見る
- 自分の家庭との違いを一つ書き出す
まとめ会話
マロン学長「買った人に聞いた調査だから、その人たちの見方が反映されているんだね。」
はち助教授「そうよ。それを踏まえて、次は導入後に何が変わったと答えられたかを読みましょう。」
次回予告
導入後の屋外アクセスと飼い主の懸念がどう変わったと報告されたかを読みます。