論文要約:高齢猫は何回に分けて食べた?——134匹の家庭内クロスオーバー研究
Eyre et al. (2026). Animals, 16(1), 45

この論文を一言で
7歳以上の健康な家庭猫134匹が三つの食事形式を自由に食べたところ、平均食事回数は1日6.0〜7.2回でした。ただし、固定回数の給餌を比較した研究ではなく、著者自身も6回対7回の差の生物学的意義に疑問を示しています。
何を調べた?
英国の家庭猫を対象に、ドライのみ、ウェットのみ、両方を別の食器で同時に置く混合条件を、各猫がすべて経験しました。順序は六通りに均衡させ、個体差を抑えるクロスオーバー設計です。
各条件は4日の順応と2日の主要測定で構成されました。マイクロチップ対応給餌器が時刻と重量を記録し、2g以上食べた一訪問を一回の「食事」としました。
150匹を募集し、最終解析は134匹、三条件の完全データは126匹でした。参加猫は健康とされた単頭飼育の7歳以上で、病気、治療、口腔問題、特別食、極端な食いしん坊・好き嫌いなどで除外されています。
主な結果
主要測定日の平均食事回数は次の通りでした。
- ドライ:6.0回(95%信頼区間5.2〜6.7)
- ウェット:6.9回(5.9〜8.0)
- 混合:7.2回(6.3〜8.2)
ドライ対ウェット、ドライ対混合には統計上の差があり、ウェット対混合には差がありませんでした。しかし、著者は6回と7回の差が生物学的に意味を持つか疑問だと記しています。
1日摂取エネルギーはドライ262.6 kcal、ウェット138.1 kcal、混合222.6 kcalで、主要解析ではウェットがドライと混合より低い結果でした。これは研究で使った特定製品を自由に食べた短期結果で、必要量や推奨量ではありません。
食事は早朝と夕方に多く見られました。ただし飼い主の在宅やフード補充時刻は標準化されず、時刻の山を作った可能性があります。年齢群・性別による主要な差は検出されませんでした。
ここから言えないこと
- 高齢猫へ1日6〜7回与えるのが適正とは言えない
- 加齢によって食事回数が増えるとは言えない
- ウェット、ドライ、混合のどれが健康によいかは分からない
- 研究のg・kcalを家庭の給餌量には使えない
- 摂取エネルギー差が減量や健康改善につながるとは言えない
三形式で製品の水分だけでなく組成とエネルギー密度も異なり、一条件は6日、主要解析は2日です。体重変化、健康、尿路、筋肉、生活の質は測定していません。
利益相反と透明性
Mars Petcare UKが研究資金を提供し、全著者は研究時点でWalthamまたはRoyal Caninを含むMars Petcareの従業員でした。企業研究であることだけで結果を否定はできませんが、特定製品の結果を一般的な食事推奨へ広げない重要な理由になります。
研究はWalthamの倫理審査を受け、飼い主の文書同意を得ています。論文はCC BY 4.0です。
家庭への持ち帰り
回数そのものより、同じ数え方で普段との差を見るための記録に使えます。食器へ来た時刻、一日の総量、残量、体重や元気を一緒に記録します。急に食べ方が変わった、総量や体重が変わった、変化が続く場合は、回数や食事形式だけで調整せず獣医師へ相談します。
参考文献
Eyre R, Marshall E, Goyon A, Ellerby Z, Carvell-Miller L, McGrane SJ. (2026). Twenty-Four-Hour Feeding Patterns of In-Home Healthy Aging Cats Fed Wet, Dry, or a Combination of Wet and Dry Diets Ad Libitum. Animals, 16(1), 45. https://doi.org/10.3390/ani16010045
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