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ネコフリークス大学Neko Freaks University
遊び掲載 2026.09.11

論文要約:猫が物を持ってくる遊びは、誰のペース?

Forman et al. (2023). Scientific Reports, 13, 20456

読了 約5分入門2023年発表原文 DOI →

論文の概要

猫がおもちゃや丸めた紙をくわえ、足元へ運んでくることがあります。犬の「取ってこい」を思い浮かべやすい行動ですが、猫ではどう始まり、誰が遊びのペースを決めているのでしょうか。

Formanら(2023)は、取ってくる行動をする猫について飼い主924人に質問し、最終的に1,154匹分の回答を分析しました。行動を始めた経緯、好きな物、遊びを始める人・終える人を、飼い主の記憶と観察から集めた研究です。

この研究は、猫に物を持ってこさせる訓練法を比べた実験ではありません。また、取ってくる猫と取ってこない猫を集めて違いを調べた研究でもありません。すでに「取ってくる」と飼い主が報告した猫に限った質問票調査です。そのため、94.4%という数字を「全ての猫の94.4%が、しつけなしで取ってくる」と読むことはできません。猫が取ってくる行動を見せる場合に、飼い主がどのように経験しているかを知るための材料として読むのが適切です。

研究デザイン

飼い主はSNSを通じて国際的に募集されました。最終分析には、924人が報告した1,154匹が入りました。質問は23項目で、しつけをしたか、何を持ってくるか、誰が遊びを始め・終えるか、直近の遊びで何回取りに行ったかなどを尋ねています。自由記述もテーマ別に整理しました。

研究者が家庭で猫を直接観察したわけではなく、飼い主の回答に基づく調査です。回答者は北米が多く、取ってくる行動に気づいた飼い主が自分から参加しています。個々の猫の気持ちや、日本の全ての家庭での割合を確定する研究ではありません。

主な発見

1. 明示的なしつけなしで始まった、という回答が多かった

1,154匹のうち1,089匹(94.4%)について、飼い主は明示的なしつけなしで取ってくる行動が始まったと回答しました。初めて気づいた時期は、1歳未満が701匹、1〜7歳が415匹でした。

この結果は、取ってくる行動が必ず人の訓練で作られるとは限らない可能性を示します。一方で、飼い主が「しつけ」と呼ぶものの範囲は家庭ごとに異なり、取ってこない猫を含まない標本です。

2. 開始も終了も、猫のほうが多いという報告

飼い主の回答では、遊びを始めるのは猫が553匹(47.9%)、飼い主が249匹(21.6%)、ほぼ同程度が352匹(30.5%)でした。終えるのも猫が675匹(58.5%)で、飼い主のみの248匹(21.5%)より多く報告されました。

これは猫の心を直接測った結果ではありません。ただ、猫が物を近くへ運ぶ、待つ、離れるといった行動を、遊びへの参加や終了の合図かもしれないと丁寧に見る視点につながります。

3. 持ってくる物は一つではない

猫用おもちゃのほか、丸い物、髪留めなど、飼い主が答えた好きな対象は多様でした。何を好むかは猫ごとに違うため、特定の物を出せば必ず遊ぶという意味ではありません。

暮らしで大切なのは、好きそうな物をそのまま渡すことより安全性です。小さすぎる物、壊れやすい物、ひも状の物、輪ゴム、電池、画びょう、ビニールなどは、誤食やけがにつながるため遊びに使いません。

この研究で断定できないこと

  • 取ってくる行動が、全ての猫で自然に起きるとはいえません。
  • しつけなしで始まる割合を、全猫へ当てはめられません。
  • 猫が物を運ぶ理由や感情を、質問票だけで確定できません。
  • 飼い主が投げる回数を増やせば、猫の満足度が上がるとはいえません。
  • 性別、品種、家庭環境が取ってくる行動の原因だとは結論づけられません。

数字で見るポイント

  • 924人・1,154匹: 最終分析の対象になった飼い主と猫
  • 94.4%(1,089匹): 明示的なしつけなしで取ってくる行動が始まったと回答した割合
  • 開始: 猫から553匹(47.9%)、飼い主から249匹(21.6%)、ほぼ同時352匹(30.5%)
  • 終了: 猫から675匹(58.5%)、飼い主のみ248匹(21.5%)

暮らしへのヒント

猫が物を足元へ置いたときは、「投げてほしいのかな」と一度立ち止まって見ます。近くで待つ、こちらを見る、また持ってくるなら、短く安全な遊びに応じる余地があるかもしれません。反対に、離れる、別の場所へ行く、横になる、他のことを始めるなら、遊びを続けるよう促さない方が自然です。

取ってくる猫を「賢い」、しない猫を「遊び下手」と分ける必要はありません。追う、隠れる、ひとりで転がす、ただそばにいるなど、猫の遊び方と関わり方には幅があります。猫が始めたいときと終えたいときを尊重することが、この研究を暮らしへ持ち帰るいちばん安全な使い方です。

よくある質問

Q. この研究はどこで発表されましたか?

2023年に国際誌 Scientific Reports で発表されました。Jemma Forman、Elizabeth Renner、David A. Leavensによる論文で、DOIは10.1038/s41598-023-47409-wです。

Q. この研究の内容は日常の猫との暮らしに活かせますか?

取ってくる遊びを、しつけの成果だけでなく、猫が始めたがる時・終えたがる時を観察するきっかけとして活かせます。ただし、個別の猫の気持ちを判定する検査ではありません。

Q. 94.4%の猫がしつけなしで取ってくるのですか?

取ってくる行動を報告した飼い主の回答のうち94.4%が、明示的なしつけなしで始まったと答えました。取ってこない猫を含む全猫の割合ではありません。

Q. 猫が遊びを始める・終えるといえますか?

飼い主の報告では、開始も終了も猫のほうが多い結果でした。ただし質問票の結果なので、猫の内面を確定するものではありません。猫が近づく・離れる行動を尊重する視点として扱います。

この論文のテーマを深く学ぶ

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本サイトの記事は、学術論文をAI技術を用いて要約・翻訳したものであり、獣医師による診断・治療に代わるものではありません。愛猫の健康状態に不安がある場合は、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。