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ネコフリークス大学Neko Freaks University
暮らし・環境掲載 2026.10.16

論文要約:外に出る猫の行動圏は、出入りの制限や狩り対策で変わる?

Cecchetti et al. (2022). Conservation Science and Practice, 4(2), e597

読了 約5分中級2022年発表原文 DOI →

論文の概要

Cecchettiら(2022)は、南西イングランドで普段から外に出て野生の獲物を持ち帰る飼い猫をGPSで追跡しました。解析対象の72匹では、普段の行動圏の中央値が1.51ha、家からの1日の最大距離の中央値が89mでした。

屋外アクセスに制限のない群は、ある群より行動圏や1日の移動距離が大きい関連を示しました。一方、鈴や首輪カバー、食事、遊び、パズルフィーダーを用いた捕食対策では、移動指標の明確な群間差は検出されませんでした。

この研究は「家へ持ち帰る獲物」を調べた同グループの姉妹論文と対になっています。本論文の担当は「GPSで測った移動」です。脱走猫がどこに潜むか、いつ帰るかを追跡した研究ではありません。

研究デザイン

  • 2019年春、南西イングランドの48世帯の飼い猫を調査。全頭避妊去勢済み。
  • もともと野生の獲物を捕り、家へ持ち帰る猫が対象。
  • 利用可能なGPSデータがあった82匹から、軌跡が安定しない9匹と強い外れ値1匹を除き、72匹を解析。
  • 屋外アクセスの制限なし59匹、あり13匹。制限は主に夜間の屋内滞在で、方法と時間は家庭ごとに異なる。
  • GPSは15分ごとの記録設定。介入前の装着は平均8.9日、介入期は平均7.5日。
  • 行動圏は位置の時間的な関係を考慮した95% AKDE、中心域は50% AKDEで推定。
  • そのほか地図上の家屋の輪郭の端からの1日最大距離と、1日総移動距離を計算。
  • 鈴、Birdsbesafe首輪カバー、肉由来タンパク質の多いフード、パズルフィーダー、物を使った遊び、対照群の介入前後を比較。

原著の要旨には「72匹が12週間を完了」とありますが、結果節には「82匹が完了し、10匹を除外して72匹を解析」と記載されています。この要約では結果節と表1に合う72匹を解析数として扱います。

主な発見

行動圏の中央値は1.51ha

72匹の95%行動圏の中央値は1.51ha(四分位範囲0.76〜2.38ha)、中心域は0.20ha(0.10〜0.33ha)でした。家からの1日最大距離の中央値は89m(55〜138m)、1日総移動距離は884m(543〜1353m)です。

「1.51ha」は面積、「89m」は1日ごとに地図上の家屋の輪郭の端から最も遠かったGPS記録までの距離です。両者を同じものとして扱えません。中央値はすべての猫の上限でもありません。

制限なし群では三つの移動指標が大きかった

年齢、性、居住地などを考慮したモデルでは、制限なし群の行動圏は制限あり群の1.75倍(95%信頼区間1.05〜2.91)、家からの1日最大距離は1.46倍(1.09〜1.94)、1日総移動距離は1.31倍(1.09〜1.56)でした。

これはもともと外出管理の違う猫同士の比較です。外出条件を無作為に割り当てたり、同じ猫の管理を切り替えたりして検証した数字ではありません。制限あり群は13匹と少なく、制限方法も統一されていません。

捕食対策では移動の明確な差を検出しなかった

6群で介入前後の変化を比べた結果、行動圏(p=.51)、家からの1日最大距離(p=.16)、1日総移動距離(p=.51)に明確な差は検出されませんでした。これは「どの対策も移動へ一切影響しない」の証明ではありません。

姉妹論文では食事変更と物を使った遊びで持ち帰り獲物数が減りましたが、持ち帰り数の変化を行動圏の変化に読み替えることはできません。

持ち帰り数と行動圏の関係も明確ではなかった

獲物を持ち帰った猫を個体ごとに特定できる34匹では、行動圏と持ち帰り数の明確な関連は見つかりませんでした。持ち帰り数は実際の捕食総数ではありません。原著表3には「odds ratio」とありますが、負の二項カウントモデルの指数化係数であり、二値の捕獲確率を示しません。

数字で見るポイント

数字何を示すか読む時の注意
82→72匹GPS利用可能→最終解析10匹を除外
59対13匹制限なし対あり非無作為、制限方法は不統一
1.51ha普段の95%行動圏の中央値脱走後の捜索面積ではない
89m家からの1日最大距離の中央値猫の到達限界ではない
1.75倍制限なし群の調整後の行動圏観察的関連、95%CI 1.05〜2.91
34匹持ち帰り獲物の解析猫ごとに特定できた小標本

この研究で断定できないこと

  • 脱走猫は家から89m以内にいる、あるいは1.51ha以内にいる
  • 脱走猫がいつ帰るか、帰ってくる確率、探すべき半径
  • 夜間だけ室内にすれば、同じ猫の行動圏が必ず75%縮む
  • 鈴や遊びなどがどの猫の移動にも影響しない
  • 持ち帰り獲物数から実際の捕食総数を知る
  • 外出管理によって事故や病気、福祉が何%改善する

利益相反と研究の限界

SongBird Survivalが研究に資金提供しました。研究用フードは卸価格で購入し、メーカーが送料と対照群の抽選景品を提供。Birdsbesafe首輪は35%割引で購入しています。データはDryadで公開されています。

対象は南西イングランドの春、狩りをする飼い猫、GPS装着を受け入れた家庭に限られます。位置の記録は15分間隔で、装着期間も各期平均7〜9日程度です。17.3haという大きな行動圏の1匹は解析から除かれています。ほかの地域や、初めて外へ出た脱走猫へ、そのまま数字を移せません。

参考文献

Cecchetti M, Crowley SL, Wilson-Aggarwal J, Nelli L, McDonald RA. (2022). Spatial behavior of domestic cats and the effects of outdoor access restrictions and interventions to reduce predation of wildlife. Conservation Science and Practice, 4(2), e597. https://doi.org/10.1111/csp2.597

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本サイトの記事は、学術論文をAI技術を用いて要約・翻訳したものであり、獣医師による診断・治療に代わるものではありません。愛猫の健康状態に不安がある場合は、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。