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ネコフリークス大学Neko Freaks University
関係づくり掲載 2026.07.19

論文要約:猫と飼い主の関係は5タイプ?距離感の研究を読む

Ines et al. (2021). Animals, 11(6), 1601

読了 約6分入門2021年発表原文 DOI →

論文の概要

この論文は、猫と飼い主の関係を「愛着がある/ない」だけで説明せず、複数の関係タイプとして整理しようとした研究です。Inesら(2021)はオンライン質問票の回答を分析し、最終的に3994件の回答を使って、猫と飼い主の関係に関わる要素を探りました。

研究で注目されたのは、飼い主が猫にどれくらい感情的に関わっているか、猫が飼い主以外の人をどれくらい受け入れるか、猫が飼い主の近くにいたがるか、猫がそっけなく見えるかといった点です。

その結果、猫と飼い主の関係は5つのタイプとして整理されました。オープンな関係、遠い関わり、気軽な関係、共依存的な関係、友情です。ただし、これは家庭の猫を診断するための分類ではありません。猫との距離感や、飼い主側の期待を見直すための地図のようなものとして読むのが安全です。

この研究の位置づけとして大切なのは、猫の絆を「ずっと近くにいるかどうか」だけで見ない点です。猫によっては、人のそばにべったりいなくても、同じ空間で落ち着いて過ごすことがあります。逆に、近くにいたがる行動が強い場合も、単純に「愛情が深い」とだけ読めるわけではありません。

研究デザイン

この研究は、猫の行動を実験室で直接観察したものではなく、飼い主が回答したオンライン質問票をもとにした研究です。

対象になったのは、18歳以上で、対象の猫と6か月以上一緒に暮らしている飼い主です。複数の猫と暮らしている場合は、名前のアルファベット順で最初にくる猫について回答するよう求められました。

質問票には猫との日常的な関わり、飼い主の感情的な関わり方、猫の接近行動、猫が他者を受け入れる様子などに関する項目が含まれていました。研究チームは、回答の信頼性を確認したうえで、主成分分析とクラスター分析を使って、関係のまとまりを整理しています。

一方で、回答者には偏りがありました。元データでは回答者の91.7%が女性で、71.1%が英国在住でした。最終分析の3994件も、広い猫飼育者全体をそのまま代表しているとは限りません。

主な発見

1. 関係は4つの軸で整理された

分析では、関係を説明する軸として4つの要素が抽出されました。

  • 飼い主の猫への感情的投資
  • 猫が飼い主以外の人を受け入れる程度
  • 猫が飼い主の近くにいたがる程度
  • 猫のそっけなさ、または独立性

ここでいう「感情的投資」は、飼い主が猫をどれくらい大切な存在として感じているかに近い考え方です。「そっけなさ」は、猫が飼い主を嫌っているという意味ではなく、距離を保つ傾向や独立して過ごす傾向として扱われています。

2. 5つの関係タイプが提案された

研究では、猫と飼い主の関係を5タイプとして説明しています。

  • オープンな関係:飼い主の関わりはほどよく、猫は独立的で、他の人とも関われる傾向がある
  • 遠い関わり:飼い主の感情的関わりが低めで、猫も強い親和行動や接近行動をあまり示さない傾向がある
  • 気軽な関係:猫が人全般を受け入れやすく、飼い主だけに強く近づくわけではない傾向がある
  • 共依存的な関係:飼い主の感情的関わりが高く、猫も飼い主の近くにいたがる傾向がある
  • 友情:温かい関係がありながら、猫と飼い主がそれぞれ独立して過ごせる傾向がある

この分類は、どれが上でどれが下というランキングではありません。猫と飼い主の関係には、近さ、独立性、他者への開き方、家庭環境が組み合わさっているという見方です。

3. そっけない猫=絆がない、ではない

この論文で特に日常に役立つのは、そっけなく見える猫をすぐに「絆が薄い」と読まない点です。

猫は、同じ部屋にいる、近くで眠る、少し離れて見ている、呼ぶと来る日もあれば来ない日もある、という形で関係を作ることがあります。人間側が期待する「甘え方」と、猫にとって自然な距離感がずれていることもあります。

研究者たちも、猫と飼い主の絆は、古典的な意味での愛着だけを中心に見るべきではないと述べています。飼い主を安全基地のように使うかどうかだけでなく、猫の社交性や飼い主の期待も関係しているからです。

4. 近くにいたがることも、単純には読めない

反対に、猫がいつも近くにいるからといって、必ずしも「理想的な関係」と言い切れるわけでもありません。

研究では、共依存的な関係タイプについて、飼い主の感情的関わりが高く、猫も飼い主の近くを求めやすい傾向が示されました。ただし、この言葉は読者を責めるためのものではありません。論文上の分類名であり、家庭での猫を「問題がある」と決めつけるための診断名ではありません。

近くにいたがる猫には安心感がある場合もありますが、留守番時の強い不安、過度な鳴き、食欲や排泄の変化がある場合は、関係タイプではなくストレスや体調の問題として確認する必要があります。

この研究で断定できないこと

この研究は、猫の気持ちを直接測定したものではありません。あくまで飼い主から見た猫との関係を、質問票で整理した研究です。

そのため、次のような読み方は避けた方が安全です。

  • うちの猫はこのタイプだから変えられない、と固定する
  • 友情タイプが一番よい、共依存タイプは悪い、と優劣をつける
  • 甘えない猫は飼い主を好きではない、と決めつける
  • 近くにいる猫ほど愛情深い、と単純化する
  • 急なそっけなさを性格として片づける

また、回答者は女性や英国在住者に偏っていました。国、住環境、外へのアクセス、家族構成、多頭飼育かどうかによって、猫との関係の見え方は変わる可能性があります。

数値で見るポイント

  • 最終分析に使われた回答は3994件
  • 元データの回答者は女性が91.7%
  • 元データの回答者は英国在住が71.1%
  • 最終分析では、26項目の信頼性が確認された
  • 関係を説明する主成分は4つ
  • 研究で提案された関係タイプは5つ
  • オープンな関係はサンプルの28.4%
  • 遠い関わり/気軽な関係を含む上位グループは27.1%
  • 共依存的な関係/友情を含む上位グループは44.5%

数字を見ると、猫と飼い主の関係はかなり多様です。「近くにいる猫だけがよい関係」とも、「独立的な猫だから絆が薄い」とも言い切れません。

暮らしへのヒント

この論文を日常に活かすなら、まず「猫がどれくらい近くに来るか」だけで関係を判断しないことです。

同じ部屋で静かに過ごす、少し離れた場所で眠る、人が動くと視線だけ向ける、短い時間だけ近くに来る。そうした行動も、猫なりの関係の持ち方かもしれません。

一方で、距離を取る猫に無理に触る、抱っこで距離を詰める、反応を引き出そうとして追いかけると、関係はかえって崩れやすくなります。猫が選べる退避場所、静かな寝床、近づく・離れるを自分で選べる導線を用意しておく方が、関係づくりには合っています。

もし猫のそっけなさが急に強くなった、隠れる時間が増えた、食欲・排泄・睡眠・触られ方が変わった場合は、性格や関係タイプで説明しないでください。痛みや体調不良、環境ストレスが関わることもあるため、必要に応じて動物病院で相談する方が安全です。

猫との関係は、ひとつの正解に寄せるものではありません。近い日も、離れている日も、猫が自分で距離を選べること。その余白を残せる関係が、長く一緒に暮らす土台になります。

この論文のテーマを深く学ぶ

猫と飼い主の関係タイプ研究——絆はひとつじゃない

3994件の飼い主回答を分析した研究をもとに、猫と飼い主の関係を「愛着がある/ない」だけで決めつけず、5つの関係タイプ、猫の社交性、飼い主の期待、距離感の整え方を全5回で学びます。

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本サイトの記事は、学術論文をAI技術を用いて要約・翻訳したものであり、獣医師による診断・治療に代わるものではありません。愛猫の健康状態に不安がある場合は、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。