好きな物ほど、安全かを先に確かめよう
取ってくる猫が好きな物はさまざまです。好みを尊重しながら、誤食やけがにつながる物を遊びに使わない安全な選び方を整理します。

導入会話
マロン学長「ぼくは丸い紙が好き!でも、何でも転がせばいいのかな?」
いち教授「好きな物があるのは楽しいね。でも、遊びに使って安全かどうかは別に確かめよう。」
この回でわかること
- 取ってくる猫の好きな対象は多様
- 好きな物でも、誤食やけがの危険があれば遊びに使わない
- 使う前と片付ける前に、おもちゃの状態を確認する
好きな対象は、猫ごとに違う
研究の回答には、猫用おもちゃ、丸い物、日用品など、いろいろな対象が出てきました。猫用に作られたおもちゃは、好きな対象のうち4割弱にとどまります。残りは、丸めた紙のようにその場で作られた物や、ヘアゴム、ボトルの部品といった家の中の雑多な物でした。耳栓、ストロー、トランプなど分類しにくい物も8%ありました。
特定の一種類が全ての猫に好まれたわけではありません。論文は、猫が獲物に似た物だけでなく、身の回りの多様な物を遊びの対象にできることを示した結果だと述べています。ある回答者は、ポンポンの大きさが少し違うだけで猫が受けつけなかったと書いています。同じ種類でも、その猫にとっての「正解」は細かく決まっていることがあります。
回答には、同じおもちゃでも色が違うと取りに行かない猫、決まった距離より近くに投げると動かない猫の話も出てきます。飼い主が新しいおもちゃを用意しても猫が見向きもしない、という経験は、遊びの失敗ではなく、その猫の基準を知る機会と考えられます。
好きな物を探す時は、猫の反応を見ながら、安全な猫用おもちゃを少しずつ試すのが基本です。古くなって割れた物や、部品が取れそうな物は遊びから外します。
「小さいから軽い」は、安全の理由にならない
回答に出てきた物の中には、遊びに向かない物も含まれています。輪ゴム、ひも、糸、ビニール、電池、画びょう、クリップ、壊れたプラスチック片は、投げて遊ぶ物にしません。くわえやすくても、飲み込んだり口を傷つけたりする危険があります。
自由記述には、新聞を開いた時に飛んだ輪ゴムを猫が追いかけて持ってきた、という報告もありました。偶然の出来事から遊びが始まることはよくありますが、その物を遊びに使い続けるかは別の判断です。
マロン学長「持ってこられる大きさなら、安心じゃないんだね。」
いち教授「そう。猫が口に入れられるかだけでなく、壊れないか、飲み込めない大きさか、見ていられる場面かを確かめるんだ。」
遊び終わりは片付けもセット
遊びを終えたら、おもちゃにほつれや欠けがないかを見て片付けます。ひとりで安全に遊べる製品でも、猫のくわえ方や壊し方には個体差があります。気になる変化があれば使用を止めます。
好きな物を猫の手の届く所に出しっぱなしにしない理由は、安全だけではありません。いつでもそこにある物は、遊びの対象としての新しさを失いやすいからです。遊ぶ時に出し、終わったらしまうことで、次の遊びの誘いにもなります。
異物を飲み込んだかもしれない、何度も口を気にする、吐く、元気がないなどがあれば、様子見だけにせず獣医師へ連絡してください。
今日からできること
- 遊ぶ前に、おもちゃの部品・ほつれ・大きさを確認する
- 危険な日用品は片付け、安全な猫用おもちゃだけで遊ぶ
- 猫が選んだ物が危ない物なら、似た大きさと感触の安全な物に置き換えて試す
まとめ会話
マロン学長「好きな物を見つけるのと、安全に使うのはセットなんだね。」
いち教授「その通り。最終回では、遊びを猫のペースで終えるための見方をまとめよう。」
次回予告
第5回は、取ってくる回数を点数にせず、猫が「もう終わり」を選べる遊びにする見方を、講座のまとめとして整理します。